盛岡タイムス Web News 2014年  6月  27日 (金)

       

■  実現へ決議 岩手の未来拓くILC 推進協が県民集会 最先端研究者3人が講演


     
  村上斉氏(右奥)ら最先端の研究者らが登壇したILC講演会  
  村上斉氏(右奥)ら最先端の研究者らが登壇したILC講演会
 

 「岩手の未来を拓(ひら)く・公開ILC講演会・県民集会」(県国際リニアコライダー推進協議会主催)は26日、盛岡市内丸の県民会館中ホールで開かれた。世界最先端で活躍する研究者3人を招き、素粒子研究の意義、ILCの社会的役割などについて講演が行われた。「新しい東北の未来を作り出す」ため、ILC実現に向けての決議が全会一致で採択された。

  同日は県内政財界、行政関係者、一般ら約600人が会場を埋め、国内候補地に決まった北上山地へのILC建設実現へ盛り上がりを見せた。

  決議は「ILCにより夢と希望が生まれ、新しい東北の未来を作り出す」と掲げ、「県民は産学官民一体となり『オールいわて』で東北の未来創造に向けて力強くまい進する」と宣言した。

  その上で、国に対して「国として誘致に関する方針を明確にし、資金の分担や研修参加に関する国際調整などを速やかに進める」「わが国が主導する国際プロジェクトとしてILC計画を実現するための国内体制を整える」よう要望する。

  推進協議会長の谷村邦久県商工会議所連合会長は開会で、政府の動きなどを踏まえ「実現に向けてスタート地点に立った。実現により、そこから岩手をどう変えていくかが重要で、グローバル時代を先取りあるいは先陣を切って世界に開かれた新しい岩手の創造に向けた千載一遇のチャンス。県民の熱意が結集されるのを祈念する」と会場に訴えた。

  講演はILC戦略会議委員で東京大カブリ数物連携宇宙研究機構長の村山斉氏が「宇宙の始まりに素粒子で迫る」、同じく同大素粒子物理国際研究センター長の駒宮幸男氏が「ILCの社会的役割」、同会議長で同センター准教授の山下了氏が「ILCの現状と未来に向けて」と題してそれぞれ登壇した。

  村山氏は、素粒子の一つである「ヒッグス粒子」が「宇宙の秩序を作った」と解説。ビッグバンが起きた当時、宇宙は濃くて熱く、ヒッグス粒子が飛び回っていた。その後、宇宙が冷えた状態で、現在に至るまで人類が生活しており「もしヒッグス粒子がなくなったら、私たちは10億分の1秒で消える」と解説した。

  ILCのような大型加速器によってヒッグス粒子は作り出せる。「私たちはどこから来たのか。タイムマシンがあればよいが、それに近いことはできる。ILCの目標は宇宙の謎に迫ること。この戦いを応援してほしい」とILC実現の意義を説いた。

 


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