盛岡タイムス Web News 2014年  7月  12日 (土)

       

■ 〈体感思観〉初めての岩手山登山  編集局 菊地由加奈


 山開きの1日、岩手山に初めて登った。姫神山の山開きで、膝の笑いが止まらず、「山は眺めるもの」と痛感。トレッキングガイドの中山大太郎さんが同行してくださることになっても、6割しか腹をくくれず、そのまま当日になった。

  滝沢市の神事に参加し、馬返しから入山。山開きのあの雰囲気は、仮称岩手山麓ロックフェスのようで悪くはない。阿部陽子さんの手拭いももらえ、期待が不安を塗り替えた。

  「息を吐く時に注意する」「休憩中は深呼吸」「大股で歩かない」。ペース配分、9合目での熱いコーヒー…。全ては中山さんのおかげで、正直、姫神山より楽に帰ってこられた。

  確かに1合目までが長く、6合目あたりは、もう足が上がらなくなるのではと思ったが、呼吸法を守ると体力の消耗が防げた。8、9合目の避難小屋では、トイレがあまりにもきれいで感服。膝はいたって真面目で、無事に下山できた。

  網張ビジターセンターでの中山さんの写真展で、記事に書き切れなかったことがある。それは、無雪期にキャップを付けないで使う登山用ストックについて。緑が宿る柔らかな土壌に作られた登山道。そこを裸のストックで突くことは「耕していることと同じ」と警鐘を鳴らす。

  姫神山の下山中、がくがくの姿を心配した(あきれた?)、心優しい八幡平市の皆さんがストックを貸してくださった。確かに、すいすいと足が前に進んだ。が、使い方を誤れば厄介者になるようだ。

  ストックの穴は、その時は何ともないが、雨が降ると穴をきっかけに土が流れていくという。岩手山では、木の根があらわになり、人の背丈まで深く浸食された箇所があった。想像以上に、酷使されているようだ。

  人が山に登る以上、登山道が改善されることはない。キャップの着脱については、賛否両論あるようだが、自分が歩く前と歩いた後の自然ができるだけ変わらないよう、注意したいものだ。

  写真撮影に夢中になって足元の生態系を踏み荒らす、珍しい植物を連れて帰る、バランスを崩して木の枝をへし折る…。山では人間の残念な行動が浮き彫りになる。いや、そもそも、山は聖域で、遠くから拝むに限る? 私自身、十分に配慮できた登山だったかと思うと、反省がある。
 


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