盛岡タイムス Web News 2014年  7月  20日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉67 菅森幸一 「探検1(監獄)」

     
   
     

 何にでも興味を持ち、好奇心の塊のような少年期を送っていたジジたちだった。情報が無制限に飛び交っている今と違い、自分たちの目や耳や足で確かめることを遊びとして日常化させていたジジたちだったから、戦後の解放感は願ってもない追い風となったんだ。

  今まではタブーとして規制や自粛をしていたことを「探検」と称して市内のアチコチを巡り歩くのが休日の遊びの常道となった。時には弁当持参で、かなり遠くまで歩いて出掛けることもあった。

  現在「江南義塾高等学校」などがある広大な敷地に、ジジたちが「監獄(かんごく)」と呼んでいた刑務所があった。赤いれんが造りで高い塀を巡らしたそれはいかにも恐ろしげで、怖いもの見たさに半日もかけてはるばる遠征したわれわれの冒険心を十分に満足させてくれた。

  当然、中をのぞくことなど夢のまた夢なのだが周辺をウロウロしているうちに、護送される編笠姿の囚人を見ることができたりしたもんじゃ。目的をはるかに超えた収穫に興奮が止まらず、翌日の学級での話題の中心になっている自分たちを想像してワクワクしたのを覚えている。


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