盛岡タイムス Web News 2014年  7月  25日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉209 草野悟 毎日お見送り三鉄絶好調


     
   
     

 「いってらっしゃーい」と元気に手を振るのは、三陸鉄道宮古本社の社員の皆さんです。列車が見えなくなるまで、こうしてお見送りをします。新型のお座敷列車の中では、団体客の皆さんが三鉄社員に手を振っています。実にいい光景です。

  三陸鉄道は、全線再開通後、ひっきりなしに観光客が訪れています。目立つのは中高年のご夫婦です。キャリーバッグやバックパックスタイルが主です。朝の8時、続々と駅に集結してきます。皆さん宮古や久慈市内のホテルに泊まり、朝一番の列車を目指します。東京から来たお客さまが、「ほんとにローカル線か」と半ばあきれ顔で言いました。それだけ混んでいます。でも、この混雑も「人気があっていいね。来てよかった」と褒めてくれる方もたくさんいます。人気は、必ず落ちてくる、は定説ですが、三鉄職員は、その人気だけに満足しているわけではありません。次も来てもらいたいと、リピーターになっていただけるよう全力でサービスに努めています。

  南リアス線での出来事です。盛から乗車し釜石駅に降りたご夫婦が、テレビに数多く出演していた運転士を見つけ、記念撮影をお願いしたそうです。もちろん快く応じました。そのお客さまは、東京に帰るため、JR釜石線で花巻に向かう同じホームの反対の列車に乗り込みました。後日、丁寧な礼状が届きました。「運転士さんが、JRの列車が見えなくなるまでホームで手を振っていてくれた。とても感激でした」と。

  心からのホスピタリティーは、決して社交辞令的マニュアルでは表現できません。朴訥(ぼくとつ)で、やぼったくても、真剣に向き合うからこそ心が通うのです。三鉄の会社では、特にサービスの教育をしてはいないそうです。望月社長は、「社員の自主性に任せています。数多くの礼状や励ましのお手紙を頂いていますが、ほとんどが社員個人に対してです」と話してくれました。これこそ本物の「お・も・て・な・し」ですね。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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