盛岡タイムス Web News 2014年  7月  29日 (火)

       

■  もりおか町家物語館 よみがえった酒蔵 盛岡市鉈屋町 歴史文化の発信拠点

 

     
  酒蔵や母屋など四つの建物からなるもりおか町家物語館  
  酒蔵や母屋など四つの建物からなるもりおか町家物語館
 

 盛岡市が同市鉈屋町に整備を進めてきた、もりおか町家物語館(長内努館長)が28日、一部開館した。旧岩手川鉈屋町工場の建造物群を活用した同館は、歴史的建造物の保存とともに、地域の案内所や歴史文化の発信の場としても期待される。開館記念式典が同館で行われ、全体公開に先立ち母屋と浜藤の酒蔵の公開が始まった。シロアリ被害の補修などで開館が延びた文庫蔵、大正蔵を含めたグランドオープンは9月6日を予定している。

  同館は、盛岡町家造りの「母屋」、昭和初期の土蔵を元にした「文庫蔵」、江戸時代後期に造られた「浜藤の酒蔵」、大正時代の酒蔵である「大正蔵」の四つの建物で構成され、延べ床面積は1495・92平方b。施設用地取得や建設工事などを含めた総事業費は約8億3千万円。施設は、NPO法人いわてアートサポートセンターが指定管理者として管理運営を行い、スタッフ6人が常駐する。

  母屋には、地域の案内所が設置されているほか、工場時代には従業員の住居スペースとなっていた町家の座敷を展示し、町家の造りや文化を感じてもらう施設となっている。文庫蔵は、1階で大慈寺地区にゆかりのある先人を紹介するとともに、2階は親子の触れ合いスペースとして活用される。

  市の保存建造物に指定されている浜藤の酒蔵は、酒蔵の大きな梁(はり)などを活用した集会室(浜藤ホール)としてさまざまなイベントに使用できるほか、浜藤の酒造りの歴史を紹介するパネルや盛岡の懐かしい映像を流すスペースとなっている。大正蔵は、1階で盛岡ブランド認証品などを紹介・販売するほか、ホーロー看板のコレクションや酒造りの資料などが展示され、2階では昭和を彩ったレコードやおもちゃなどが飾られる。

     
  盛岡町家の造りが見られる母屋  
 
盛岡町家の造りが見られる母屋
 


  敷地3135・25平方bには、ほかにも浜藤の酒蔵と大正蔵に挟まれた下屋(げや)と呼ばれる路地空間、野外ステージを備えた多目的広場「風の広場」などがある。開館時間は午前9時から午後7時(入館は同6時30分まで)。浜藤ホールのみ同9時30分まで利用可。休館日は毎月第4火曜(休日の場合は翌日)と年末年始。入館料は無料。

  記念式典で、谷藤裕明市長は「大慈寺地区は旧街道に沿って、盛岡町家はもちろんのこと、酒蔵、寺院群などの歴史的建造物が多数あるほか、清水や石垣など魅力あふれる景観や文化資源がたくさん残っている。懐かしさのにぎわいに出合うをコンセプトに、見る、買う、食べる、体験する、交流するの五つの機能を生かし、地域の情報を発信し、懐かしさと新鮮さを融合した新しい盛岡の魅力の創造を担い、豊かな生活文化を育む施設を目指したい」と述べた。

  もりおか町家物語館の命名者で、地元で上野豆富店を営む上野功さん(65)は「このかいわいは、今でこそほとんどなくなったが、昔からいろいろな商店がたくさんあった地域。船や酒屋、井戸などがあり、さまざまな物語があったので命名した。ようやくきょうを迎えた。本当に立派な建物。街中もお年寄りや空き家が多くなってきたので、ぜひ観光でたくさんの人に来てほしい」と話した。


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