盛岡タイムス Web News 2014年  8月  1日 (金)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉68 菅森幸一 「探検A修道院」

     
   
     

 今、緑が丘四丁目のアネックス・カワトクがある周辺は、蝦夷森(えぞもり)といって盛岡の北の外れ、人家もない寂しい場所だったが、そこに盛岡には珍しい洋風建築のドミニカン修道院があった。

  そもそも修道院とはどういうものなのか何の知識も持たないジジたちは、神秘的なそのたたずまいに魅了され、ある日何人かで探検に出掛けることにした。

  修道院のあたりはまだ玉山村で、高松の池を経由して陸羽街道を北上し師範学校(今の盛岡三高のあたり)を左に見て修道院に到着するコースは、ジジたちにとっては文字通りの大遠足で、土埃と汗と格闘しながらの行程は、ただただ疲れるだけのためにあるようなものだった。

  お目当ての修道院は実に静寂そのもので物音ひとつしない。人が住んでいる気配すら感じられない。しばらくウロウロしながら観察を続けたが、何も得るものがなく腰にぶら下げたおにぎりを、敷地内にあった大きな松の木の根元で、大声で騒ぎながら食べたのが唯一の慰めだった。

  この松の木が有名な一里塚であることを知ったのは、ジジが緑が丘に住むようになってからだからお恥ずかしい限りさ。


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