盛岡タイムス Web News 2014年  8月  8日 (金)

       

■  三鉄移管に絞り交渉へ JR山田線の被災休止区間 県都沿岸市町村が一致


 達増知事と沿岸12市町村長によるJR山田線の復旧に関する会議は7日、盛岡市内で初めて開かれた。この中で東日本大震災津波に伴い再開していない山田線の宮古―釜石間について三陸鉄道による運営を「鉄道復旧に向けた有力な選択肢」として、JR東日本と交渉協議を加速させることで一致。いまだに復旧方針が示されない中、交渉を三鉄への移管に絞ることで赤字補てん額など条件面を具体的に詰めていく考え。

  達増知事は冒頭あいさつし「通学、通院など欠くことのできない重要な生活の足、全国から観光誘客できる地域振興の基盤でもある。三鉄とつながることで、さまざまな相乗効果が発揮できる。被災地の復興加速のために一日も早く復旧し、三陸沿岸の鉄道が一つにつながることが極めて重要」と意義を説いた。

  宮古―釜石間を三鉄が運営することになれば、区間の山田町、大槌町では、新たな負担やJR時代との運賃差額などの対応、住民理解を求める必要が出てくる。達増知事は「沿線を早く鉄路でつなぐことに皆さんの共通認識ができた」と説明。現時点で「移管ありき」の協議を否定した。

  県と沿線は復旧に向けた対応方針として「関係自治体の負担増を回避する観点に立ちながら、早期の鉄道復旧を目指す」、「山田線の三鉄による運営を鉄道復旧に向けた有力な選択肢としてJRとの詰めの協議を加速していく」を掲げる。

  JRに対しては▽災害時、施設設備更新時の費用補てん▽三鉄が求める鉄道施設などの強化▽赤字想定額の補てん(JR提示は10年分5億円)▽三鉄とJRの運賃差額に伴う補てん―を要請。三鉄の運営により施設の一体的管理や利用促進が図られる一方、区間の鉄道施設の老朽化が激しく、どこまでJR側から引き出せるかなども、今後の交渉次第になる。

  地元が求めている条件面や三鉄が望む設備強化などのうち、JRから支援が得られないものについては、国の支援を求めていく。

  同日は沿線市町村長(一部代理)や三鉄の望月正彦社長らが出席。会議後、報道陣の取材に出席者が個別に応じた。

  大槌町の碇川豊町長は「今までJRが運営し、負担のないところに、新たな負担の額がどのくらいになるのか。それが固まらないうちに(JRへ)すり寄ることに違和感はある。一方で早く復興させないといけないことであり、情報公開をしながら進めなくては」と、住民への配慮の必要性を語った。

 

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