盛岡タイムス Web News 2014年  8月  25日 (月)

       

■  〈幸遊記〉189 照井顕 菅野照夫のシンタックホーム


 陸前高田市で「長く付き合える健康な住まい 本物の家・木づくりの家」をテーマに企画から施工そしてプラスアルファまで、いわゆる木造の日本家屋の建築設計建設業を営んでいた「シンタックホーム」の菅野照夫さんから、久し振りに電話をもらった。

  2011年の津波後、脳内出血を患い、仕事を休んでいる彼だが、2000年に神奈川県二宮町のみかん山の斜面を利用して建てた総2階のみかん倉庫は、すべての作業を陸前高田で施し、現地に運んで組み立てた、ほとんど学校のような大きな木造建築物。その工事ネガフィルムを写真にしたいので、どこかに頼んでほしいと言うことだった。

  かつて彼が写真を頼んでいた得意先の店は、あの2011年の津波で店も店主ご夫妻も亡くなってしまい、今は、頼めるところがないのだった。ネガと一緒に送られて来たものは、彼が尊敬する大工、棟梁の故・田中文男(1932〜2010)普請帳研究会+田中文男さんをしのぶ会発行本だった。何でも、その田中氏から「手伝え」と言われた手伝い仕事だったが本請けになっていた。その建築物を登記するにあたり、建築工事写真が必要との事。

  できた写真を見てビックリしたのだが、本当に素晴らしい見事なもので、まさに天下に名だたる「気仙大工」の魂の仕事振りが写し出されていて、僕は感動した。そういえば、昭和の終り頃、盛岡のみたけに彼が造った「湯田邸」は県の木造住宅コンクール最優秀賞。10年後に陸前高田の小友に造った「岸邸」も最優秀賞を受賞した。

  そして2001年江刺市の古民家「千葉家」1892(明治25)年建築のリフォームも手掛け、高断熱、高気密化を実現させ、東北建築家協会の第1回JIA東北住宅大賞2006を受賞。国の登録文化財となった。

  そんな彼、菅野照夫さんが僕らのジャズ活動に対し、無償の支援をしてくれたのは1985年の「日本ジャズ祭イン陸前高田」。3階建ての木造家屋を寝かせたステージを造って皆を驚かせ、86年の穐吉敏子ジャズオーケストラの時には900枚の気仙杉サイン板を敷きつめて皆に正夢をプレゼントしたのでした・拝!
(カフェジャズ開運橋のジョニー)



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