盛岡タイムス Web News 2014年  8月  29日 (金)

       

■  山あい逆手に自然農法(上) しずくいし環境にやさしい稲作の会 堆肥も化学肥料も使わずに


     
  雫石町御明神の山あいで自然農法の米作りを実践する滝沢藤七さん(左)と同志の佐藤雄一さん  
  雫石町御明神の山あいで自然農法の米作りを実践する滝沢藤七さん(左)と同志の佐藤雄一さん
 
  しずくいし環境にやさしい稲作の会(滝沢藤七代表)は雫石町御明神の山あいで、農薬や除草剤、化学肥料や堆肥などに一切頼らない自然農法で米を栽培している。人里離れた山懐に残る先祖代々の田。雫石川上流の竜川の源流に位置し、人家もない秘境。他の影響を受けにくい山間部だからできる自然農法で、無垢(むく)な米の味を表現している。

  同会は、代表の滝沢さん(58)が使用する田んぼ約18fのうち、4fで自然農法を実践。このうち1・5fのほ場が御明神の山あいに位置する。

  自宅から4`ほど離れた、ほ場にはヤマユリが誇らしげに咲く。もとは減反政策で牧草を生産していたが、2003年から自然農法であきたこまちを作り始めた。

  滝沢さんの自然農法の考え方は「空気と土と水を汚染させないこと」。農薬や肥料などは一切使わずに、自然の摂理の中で米を作っている。

  必要な材料は、その土地から調達。土は田にあったもの、苗床の土もその田から採集する。水は裏山の沢水を引き、2年目以降は種子もその田から取れた自家産を使っている。

  多少の虫の被害は気にしない。「最終的に色彩選別で色の悪いものをはじくので」と行き交う虫も自由。過保護にならず、米の自立を促すと「その地域の中でDNAが蓄積され、その土地の風土に合った種になっていく」と話す。

  自然農法による収量は2fで3dほど。一般的な収量の3分の1に値する。それでも辛抱強く自然農法で作り続け、11年には有機JASの認定を取得した。

  昨年8月の大雨災害でほ場に土砂が流入する被害を受けたが、自然農法の観点から外部業者は入れず自力で復旧させた。そして、この春から自然農法の作付け面積を従来の2倍の4fに拡大した。

  竜川の源流で作る米なので、名前は「竜源米」。1`1千円の値をつけているが、夢は10`2万円だ。

  滝沢さんは「10年が経過したが、まだまだ。今年からようやく二段階目に入った。『値段の割においしくない』と言われてしまうかもしれないが、本物を求める人が出てくるだろうと信じてやっている」と話す。
    (菊地由加奈)  


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