盛岡タイムス Web News 2014年  9月  9日 (火)

       

■  大雨教訓に初動確認 盛岡市玉山区 大型台風の想定で参集 松川氾濫に備え展開


     
   訓練で避難勧告発令の進言へ、情報収集や検討する玉山総合事務所内の現地対策本部  
   訓練で避難勧告発令の進言へ、情報収集や検討する玉山総合事務所内の現地対策本部
 

 盛岡市の玉山区総合事務所で8日、昨年9月の台風18号被害を教訓にした災害対策本部機能別運営訓練が行われた。休日明け勤務時間前の早朝、18号を上回る規模の台風による大雨で松川が氾濫すると想定し、初動体制の訓練が展開された。全国各地で多発し、どこで起きてもおかしくない自然災害の対応へ、住民の安全安心を確保する一助とした。福田稔区長、小原俊彦事務長ほか同事務所の正規職員全68人を参加対象に行われた。市総務部危機管理防災課の職員も参加した。

  訓練は台風に伴う大雨により、午前4時35分に市災害警戒本部が設置されたのを受け、同47分に事務所職員へ参集メールが発信された。同6時から降雨が急激に強まると予想されたことから、災害対策本部へ移行。同事務所に福田区長を本部長とする現地対策本部が開設された。

  同5時15分、大雨洪水警報などが発表され、避難勧告に備え、避難所となる6カ所を確認。建設課職員が河川や道路の巡視、10分ごとの現地本部へ連絡する指示を受けて古川、松内、夏間木の各橋に配置する監視要員が出発した。

  同40分に巻堀、好摩、生出、渋民の各地域に防災無線で避難準備情報を発信。松川の監視や避難対象世帯の把握、避難所開設に向けて担当部署が活動した。今回は対象を絞り込み、114戸385人に対して勧告することとなった。

  同6時段階の松川の水位は1b未満と設定された。松川は水位2・5bが氾濫注意水位、2・7bが避難判断水位。昨年は勧告前にこれらを上回り、1時間で一気に1・16b上昇した時間帯があり、逃げ遅れて孤立した住民もいた。最大5・31bを記録後は計測不能になった。

  このため訓練では想定の台風が昨年の18号を上回っていること、雨足の弱まる気配がないことを踏まえ、同9時ごろには松川が氾濫すると見て「住民の安全を期すため早め早めに出した方がよい」(福田区長)と判断。

  同6時10分からの3度目の現地本部会議で、人命優先の観点から勧告発令を災対本部に進言することを確認。同本部はこれを受け、同時30分の勧告発令を決めた。

  勧告発令に向け、避難所開設へ職員配置、広報車と防災無線を2回放送するなど避難対象住民への広報体制を確認。降雨で放送が聞こえないことも想定し、職員が総出で対象世帯に電話連絡する対応も取ることに。勧告発令後、同6時46分に最後の6カ所目の避難所が開設されたのを受け、訓練を終えた。

  福田区長は「昨年の被害経験から今回はそれを想定した。想定通りできたが実際は戸惑いもある。訓練を重ねることが住民に安心感を与える」と説いた。

  細田敬一市危機管理統括監は「前日啄木マラソンという大行事があり、月曜の早朝という動きにくい日時を訓練日に選んだ。災害はいつ起きるか分からないし、一連の訓練を経験していれば、実際取る行動も違う」と意義を話した。
 


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