盛岡タイムス Web News 2014年  9月  10日 (水)

       

■  達増知事任期満了1年 3選表明見計らう 対抗勢力に各党会派の思惑


 県知事の達増拓也氏(50)は10日で、2期目の任期満了まで1年を迎えた。現時点では進退について明言を避けながら、3選への意欲をにじませ、正式表明のタイミングを見計らっているというのが県政界の見方だ。一方、「反達増」勢力による対抗馬擁立の動きが水面下で行われている。各党会派の思惑も絡み、国会議員や県内首長の名前も取り沙汰され、今後の政治勢力結集の動向が注目される。選挙の構図や対立軸が定まらない中、知事選をめぐって政局が動き始めた。

  ■続投が最良の方法

  「自分が(次期知事選に向け)何する、これするについて頭は使いたくない」。達増氏は8日の定例会見で、3選出馬して復興や人口減少対策のかじ取り役になる考えを問われ、こうかわした。

  任期残り1年を踏まえ、週1回の定例会見では先月から次期知事選への進退や政治姿勢に関する質問が繰り返されている。達増氏は県民から出馬への期待感があること、1期目に掲げた「2期8年まで」を軌道修正するなどして、意欲をにじませている。

  衆院議員時代から師とあおぐ小沢一郎生活の党代表も達増氏の3選に期待を隠さない。

  前回知事選後2009年衆院選で達増氏も応援した民主党が政権交代を果たしたが、12年に分裂。同年の衆院選、翌13年参院選で民主、生活両党は大敗。小沢代表としては、手駒の国会勢力を減らす中で、達増氏には県政トップを続投してもらいたいのが本音だと対抗勢力は推測する。

  同党県議が所属する県議会派の希望・みらいフォーラムの佐々木順一代表も「達増知事は山積する諸課題に的確・機敏に対応している。引き続き県政を担うことが県民の利益にかなう最良の方法で、指導者を代えなければならない必然性は全くない」と語る。

  ■反達増=反小沢

  盛岡広域のある首長は「知事は選挙活動に忙しい」と皮肉る。知事としての公務以外にも、私塾いわて復興塾の開講や3月の高校の卒業式で知事名の手紙の朗読・配布など、支持層拡大のための布石だとして反発を示す声は少なくない。

  前回知事選は反達増勢力が対抗馬を立てた。敗れたが再び勢力を結集して対抗する動きが水面下にある。小沢代表に近い達増氏に反発する勢力、東日本大震災津波からの復興という最重要課題を抱える本県で達増氏の政治手腕や県政のかじ取りへの不満を抱く声も根強くある。

  「反達増は、そのまま反小沢」。県議会派・自民クラブの工藤勝子幹事長は公言する。「知事として姿勢や取り組みに関して、もっと県民党的な姿勢を見せてもらいたかったが一貫して曲げなかった。自民のカラーを前面に出さず、反達増の勢力をどうまとめ、同じ思いを共有する人とどう結集していくか」と今後を見据える。

  ■それぞれの思惑

  対抗馬については県選出国会議員の転出への待望論、情勢次第では県内現職首長が名乗り出る憶測など、複数の名が取り沙汰され、各県議会派や県議らの思惑が交錯する。

  いわて県民クラブの小田島峰雄代表は「会派としては知事を代えようという意見で一致しているが、誰にするかで見解が分かれる。26日から始まる県議会で達増氏の進退をめぐって議論になるだろう」と話す。

  民主党の橋元幹事長は「党と行動を一緒にするなら真っ先に応援するが、3年前と違って距離がある。独自候補を立てるか推薦要請を受けた候補を応援するか」と動向を注視する。

  社民党の小西和子代表は「誰も正式表明のない現段階で何も言えない。自民に力を与える候補に党として力は貸せない」と話す。

  共産党県議団の斉藤信氏は、達増氏の復興への取り組みについて「評価するべきは評価しつつ県民の暮らしを守る立場で臨む」と話し、協力する団体の県政評価の結果を待つ。

  公明党の小野寺好氏は「7年間で唯一ドクターヘリ導入の決断をしたことを評価するが、3選を目指すならきちんと釈明してほしい。党自ら候補を出すことはないが、状況で判断する」と述べた。

  ある県議は「(対抗勢力の)ベースをつくり戦略、戦術を立てれば自ずと候補者も決まる」と話す。3年前の轍(てつ)を踏まず、いかに勢力の結集を図るかが鍵だ。この流れや考えと一線を画す県議も少なからずいる。県政界が活性化し始めた。


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