盛岡タイムス Web News 2014年  9月  18日 (木)

       

■  〈風の筆〉68 沢村澄子 パンツいっちょう


 先週、先々週に続くパンツネタで申し訳ないのだけれども、と言いながらまた書いてしまうパンツの話。

  実は、66話のタイトルをつける段になって珍しく迷った。いくらなんでも、昔、女の子だった身分で「パンツ」と堂々、新聞に書くのがちょっと恥ずかしいような気がして、では「パンティー1枚」にしてみようか、とも思ってみたものの、いやそれはそれで朝配られるものにしては、ややピンク過ぎるような気もし、ああでもないこうでもないと悩むうちに、「パンツいっちょう」が気になりだしたのだ。

  ところが、最近とみに漢字が思い出せないから困った。「いっちょう」のそれもまたすんなり出てこない。 

  まず「一丁」が浮かんだのだが、それでは豆腐とパンツが同じ扱いになってしまう。次に「いっちょうら」という言葉があるから、そっちと関係するのかもしれないと思ったが、しかしまた、その「いっちょうら」の漢字が分からず、辞書で「一張羅」だと確認。 

  なら、「パンツ一張」なのか? いや、「一張羅」はその人にとって、とっておきの晴れ着、というような意味だろうから、パンツと一張羅がリンクするようなことはないような気もするし…。まさか「パンツ一応(はいてます)」がつまって「パンツいっちょう」になったはずは、ない、よね…などと、首を振り振り調べていくうちに、結局「一丁」でいいことが分かった。

  「パンツいっちょう」は「パンツ一丁」と書くものらしい。

  66話で、わたしが言いたかったことの一つに「パンツ1枚(のこと)で苦しむ必要はない」ということがあったのだが、「丁」は1枚2枚と数えるための助数詞ではないのか、「パンツ二丁」という言い回しを聞いたことがない。いや、そもそも一般的にはパンツ2枚を一度にはくことはないのだから、「一丁」とだけ聞こえてくるのが当然なんだろうか。いずれ、先々週の原稿に「パンツ一丁で苦しむ必要はない」と書くことはできなかった。それでは全く違う意味になってしまう。

  それで、いよいよ混乱しながらも調べを続けると、「パンツ一丁」という表現が「褌(ふんどし)一丁」の現代版として使われているらしいことや、その「挺(=丁)」は細長いものを数える単位であること、また、褌姿を後ろから見て「丁」の字に見えることからそう言うようになった、ということなどが分かってきた。

  ではどうして四角い豆腐を「丁」で数えるのか。褌みたいに細長い豆腐なんて見たことがない。しかも、豆腐一丁が、都心では300〜350c。地方では350〜400c。沖縄では豆腐一丁なんと1`だというのだ。丁が単位なんだか何なんだか、よく分からない。

  ちなみに固形の墨も一丁型、二丁型…と売られている。一〇丁型まである。一応みな細長い。しかし、同じ一丁型でも長さや太さや厚みは個々の墨で違うから、墨の「一丁」というのは重さをいっているのではないかしら…と想像しているのだが、この続きはまた後日に。
     (盛岡市、書家)


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