盛岡タイムス Web News 2014年  9月  22日 (月)

       

■  草原にそよぐ奉仕の心 リゾートインミワ ペンション経営三澤さんら、ボランティアが下刈り 安比高原ふるさと倶楽部


     
   作業の手を休め、秋風に揺れるリンドウを眺める事務局の斎藤文明さん(左)ら安比高原ふるさと倶楽部の会員  
   作業の手を休め、秋風に揺れるリンドウを眺める事務局の斎藤文明さん(左)ら安比高原ふるさと倶楽部の会員  

 安比高原ふるさと倶楽部は、あっぴ高原遊々の森(中のまきば、奥のまきば、ブナの森)を中心に、安比高原の貴重な財産である自然環境を次世代につなぐ活動をしている。

  趣旨に賛同したボランティア会員は地元出身者だけではない。同市安比高原でペンション「リゾート・イン・ミワ」を経営する三澤儀男さん(64)、よし子さん(63)夫婦は、茨城県那珂市から安比高原に移住した。

  よし子さんは日立工機の工場勤務だった儀男さんより一足早く、安比高原の住民となった。安比高原の印象は「でっかい。広い。大自然」。2002年のペンション開設時から「中のまきば」の森林化を聞き、10年ほど前から仕事の合間に草刈り、下刈り作業に加わるようになった。ボランティアの中には、同じペンション経営者もいた。

  「お客さんがいない時間帯など、それぞれに都合のいい時間を見つけて続けてきた。街中で暮らしてきた私にとっては(建物や塀などの)枠のない自然≠ェ驚きだった」と、よし子さん。「星空もきれいなんです」と雄大な安比の自然を満喫する。

  5年前に定年を迎えて移住した儀男さんも同倶楽部の活動に欠かせない一人となった。同じ県北地域の九戸村出身で「馬と人が共に生きてきたそのままの形を残すことに、安比高原の価値がある」と、ボランティア活動に汗を流す。

  「遊々の森」の休憩所「ブナの駅」の管理人を務める小山田裕(ゆたか)さん(62)は、八幡平市小柳田出身。「年配のご夫婦が散歩に来たり、遠く関西方面からのお客さんもいる。上り下りが少ないところが散策に好まれているのでは」と、同じ安代地区出身の管理人小林栄悦さんとボランティアに加わる。

  有志らが草刈り、下刈り・焼却作業を始めて約10年。三澤よし子さんは「安比のシンボルでもあるリンドウが増えてきた。手をかけなければすぐに山になってしまうが、少しずつ美しい風景が戻ってきた気がする」と、緑の草原に映えるリンドウに目をやる。

  同倶楽部は、主に春、夏、秋に季節に応じた環境保全活動を行っており、秋は下刈り作業と焼却作業が中心。環境教育活動として、自然と人との共生をテーマにした環境教育も提供している。

  これらの活動が評価され、今年6月には第26回(13年度)森林レクリエーション地域美化活動コンクール(全国森林レクリエーション協会主催)の協会会長賞を受賞した。

  10月25、26、27の3日間は、一般からも広く参加者を募集し、ボランティア会員との交流会や下刈り、焼却体験を実施する予定。参加者は、通常より安めの料金でペンションに宿泊できる(料金はペンションにより異なる)ほか、星空観察などのイベントに参加できる。遠方からの参加、家族での参加を歓迎するという。

  同倶楽部は、設立趣意書に「100年先の安比高原を創造し実践する組織」と明記している。事務局の斎藤文明さんは「この風景にかかわってもらうことで、その価値を感じてもらいたい。安比高原だけではないが、少し前まであった風景がいつの間にかなくなっているのは寂しい。古里の風景である安比高原の自然を次の世代に残したい」と、将来を見据えた。

  安比高原ふるさと倶楽部は、趣旨に賛同する人はだれでも入会できる。個人会員は年会費1千円、家族会員2千円、団体会員5千円。10月のボランティア体験の詳細日程は後日決まる。

  問い合わせは、イーハトーヴォ安比高原自然学校内、斎藤さん(電話0195―73―6228)まで。
(藤澤則子)
 


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