盛岡タイムス Web News 2014年  9月  26日 (金)

       

■  米価 概算金下落につなぎ資金 JAいわてグループ 県と協調で20億円融資 9月県議会 農家救済に5億円計上


     
   達増知事(左)に米価安定対策に関する要請書を手渡す田沼征彦JA県中央会会長  
   達増知事(左)に米価安定対策に関する要請書を手渡す田沼征彦JA県中央会会長
 

 米農家に前払いされる2014年産米の概算金が、過去最低にまで下落したことなどを受け、県は農家に、経営維持に必要な「つなぎ資金」を無利子で貸し付ける緊急支援策をJAいわてグループと協調して実施する方針を決めた。25日に発表した。今年度一般会計9月補正予算に、米価下落緊急対策資金貸付金として5億円を追加し、26日に招集する県議会9月定例会に提案する。県町村会やJA県中央会など農業団体の要望に応えた。

  県によると、県が5億円をJAいわてグループに預託。JAいわてグループは県費と合わせて総額20億円を準備し、米価下落で影響を受ける稲作農家に無利子で貸し付ける。貸付期間は来年7月末まで。稲作の規模やJAに出荷しているかどうかにかかわらず、概算金の減収見込み額を基に融資する。県内の米販売農家約4万2000戸が対象になるとみられる。

  県が米価下落に伴う緊急対策で貸付金を拠出するのは2010年以来。達増知事は「米は本県農業の柱。米価下落は地域経済に与える影響が極めて大きい。生産者に安心して米作りに取り組んでもらえるよう農業団体や関係機関とも連携し必要な対策を打ち出していく」と述べ、県産米の販路拡大や消費拡大にも力を入れる考えを示した。

  全農県本部が10日に決定した概算金(1等米、60`)は主力銘柄のひとめぼれが8400円(前年比2800円減)で、過去最低だった10年産米の8700円を下回った。他のうるち米も、あきたこまちが7900円(前年比3300円減)など軒並み3000円前後下落した。

  県の試算によると、JAから概算金を受け取っている県内農家の減収分は約65億円、仮に概算金と同レベルで米価が下がると仮定すると、米の販売農家全体では141億円の減収が見込まれるという。

  農水省が公表している6月末の米の民間在庫数量は222万dと高水準で推移。14年産米も東北が「やや良」、北海道が「良」と豊作が見込まれ、米余りによる米価下落が深刻になると予想されている。国の過剰米対策も示されない中で、概算金は厳しい価格設定となった。

  一方、米価の安定対策に関し、農業団体から県や県議会に対する要望が25日も相次いだ。

  JA県中央会、県農協農政総合対策本部は田沼征彦会長らが達増知事に会い、政府主導による過剰米の主食用市場からの隔離や、米価変動に対応し得るセーフティーネットの早期構築を国に強く働きかけるよう要望。県独自の農家への資金支援など緊急対策も求めた。県農業会議(佐々木和博会長)や県民運動県連合会(久保田彰孝会長)も同様に要請した。

  佐々木会長は「県内農家は、農地の利用集積や集落営農、規模拡大など、経営の効率化や生産コストの削減の努力をしているが、まだ効果が出るところまでには至っていない。米価下落は改革の足かせになりかねず、実情を踏まえた制度設計が必要だ」と訴える。

 


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