盛岡タイムス Web News 2014年  9月  28日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉72 菅森幸一 「探検Bガスタンク」

     
   
     

 学校にプールがない時代のジジたちの水浴び場は今の駅の裏側で通称「機関庫裏」と呼ばれる場所だった。そこに行くのには開運橋を渡り左に折れ北上川を南下し鉄橋から雫石川の上流を目指すのだ。

  その途中に盛岡ガスの「ガスタンク」とジジたちが「火力の煙突」と呼んでいた火力発電所があった。今、場所はよく分からないが多分「不来方橋」のある辺りだと思う。大沢川原に住んでいたジジにとっては毎日見る風景で盛岡にある高層建造物の代表的なものでもあった。

  終戦直後、このガスタンクで朝鮮の人々が勝利の酒盛りをしていたとのうわさが広まり仲間を誘って偵察に出掛けた。思ったより荒れ果てて草もぼうぼう、何よりもいつも見ていた堂々とした真っ黒なガスタンクがツギハギだらけ、さびだらけで、とても悲しかった。おまけにいつもは厳しい有刺鉄線すらズタズタになっていた。

  8月の空襲の際、敵機による機銃掃射で見るも無惨に穴だらけになった跡から水がチョロチョロ漏れていた。空襲の時タンクにガスは入っておらず、それは巨大な防火用水槽と化していたそうだ。何が幸せになるか分からないもんだね。


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