盛岡タイムス Web News 2014年  9月  30日 (火)

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉210 及川彩子 夏のマルガのアルバイト


     
   
     

 イタリアでは、3カ月の長い夏休みも終わり、9月の2週目から新学期が始まりました。

  地元の高校に通うわが家の長女に、友達の様子を聞くと、1〜2カ月を海の別荘、あるいは長期滞在者向けの貸アパートなどで過ごした人が多かったとのこと。

  別荘と言えばゴージャスに聞こえますが、イタリアでは、銀行預金よりも確実な財産として休暇用の家を持つ人が多く、近所の人たちからも、代々にわたり、親戚中で利用する海の家の話がよく聞かされます。

  そんな中、せっせとアルバイトに励んだ学生も少なくなかったようです。とはいえ「休みにはアルバイト!」という日本の学生の常識は、イタリアにはありません。

  コンビニなど、気軽に働ける場所が少ない上、法律的には正式雇用とパート雇用の分類しかなく、バイトを公に募集できないのが実情。イタリアに限らず、普段のヨーロッパの学生アルバイト率は数パーセントと、やはり本分は学業のようです。

  けれども夏のバカンスは別。避暑地としてにぎわうここアジアゴのホテルやカフェ、ピザ店でも若者が大活躍。その一番人気は、標高2千b級の山々に点在するマルガ(牧場)でのアルバイトです。

  7、8月の間、マルガに寝泊りし、チーズやサラミの販売から屋外レストラン、牛の移動、干し草作りと、仕事は決して楽ではなく、バイト料も、賄い付きで数万円程度。でも、アルプスの大自然を堪能しながら、地元産業を学べるので一石二鳥なのです。

  近所の17歳のサラちゃんも、夏をマルガで過ごした一人〔写真・左〕。アジアゴの街から、車で1時間、野生のマルモットが見られると評判の高原には、ドイツやフランスからの観光客も多かったそうです。
  「得意の独語が生かせたこと、ノロ鹿料理を覚えたことが収穫」と、日焼け顔で満足気に話すのでした。

 


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