盛岡タイムス Web News 2014年  10月  11日 (土)

       

■  唐突さ伴い憤りや懸念も 東北電力が盛岡で説明会 再生エネ新規「保留」で


 東北電力(海輪誠社長、本社・仙台市)は10日、太陽光など再生可能エネルギー(再生エネ)で発電した電力の新規買い取り手続きを中断していることについて盛岡市で説明会を開いた。事業者からは「9月30日にプレス発表し、10月1日から実施というのは、あまりに乱暴過ぎる」といった声も上がった。仙台市などでの説明会を経た後とあって、出席者は比較的、冷静に受け止めていたが、再生エネ普及に水を差す事態に懸念が広がった。

  盛岡市中ノ橋通1丁目のプラザおでってで開かれた説明会には、電機メーカーや金融機関、自治体の関係者ら約80人が出席。東北電力岩手支店の二坂広美副支店長・電力流通本部長らが経緯を説明し「このまま受け入れを続ければ、電力の安定供給が難しくなる」などと理解を求めた。

  出席者からは、買い取りの見合わせまで「少なくとも猶予期間を設けるべき」との意見や、一方的な手続きの中断に代わる「代替案の検討はしていないのか」といった質問が出た。

  東北電側は「憤りはよく分かるが、ルールはルールとして対応したい」と述べ、買い取り手続きの中断を見直す考えはないと説明。国が開く、この問題に関するワーキングにも参画し「なるべく早期に再開したい」と述べるにとどめた。

  2012年7月に施行された再生エネの固定価格買い取り制度(FIT)で再生エネの導入が加速。東北電管内で経済産業省の認定を受けた再エネ設備の出力規模は、5月末時点で1149万`h(うち太陽光1073万`h、風力50万h)に達した。これは冷暖房が要らない5月平日の需要量約970万`hを上回っている。

  電力は、日々の発電量が安定しない太陽光や風力と、安定した発電量が見込める火力や水力を組み合わせて需要と供給のバランスを保っている。電力会社の出力調整能力を超えて需要を上回る電力が送電線に流れ込むようになれば、周波数にも影響が出て、停電の可能性もあるという。

  このため、FIT対象の再エネ発電設備の接続申し込みに対する回答を一時保留する形で、電力買い取りを中断、将来的な受け入れ可能性や受け付け方法を詳細に検討するとした。検討期間は数カ月とし、具体的な再開時期や今後の受け入れ発電量の目安などは明らかにしていない。

  説明会に出席した奥州市の自然エネルギー設備事業者は「既に土地を買うなど先行投資しているお客さまもいる」と影響を懸念。太陽光発電システムを手掛ける電機メーカーの岩手支店担当課長は「発電受け付けの予測と実稼働にはギャップもあるのではないか。今後どんな対策を進めるのか、きちんと情報提供してほしい」と話した。

  バイオマスエネルギープラントのシステムコンサルタントの男性は、花巻市内でも計画を進めていたという。「回答保留の期間が延びれば延びるほど事業への影響は大きくなる。電力会社というより国の政策の問題。ドイツでうまくいっている制度が、なぜ、日本でうまくいかないのか」と環境やエネルギーに対する取り組みの甘さを指摘した。


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