盛岡タイムス Web News 2014年  10月  21日 (火)

       

■  〈おらがまちかど〉34 馬場恵 盛岡市 山岸3丁目町内 この坂に今日も命を励まされ 藤沢岳豊さん詠唱 地元見守る木製の川柳碑

 

     
   自身の句を眺めながら、ゆっくり坂道を往復し、買い物にも出掛ける藤沢岳豊さん  
   自身の句を眺めながら、ゆっくり坂道を往復し、買い物にも出掛ける藤沢岳豊さん
 


  「この坂に今日も命を励まされ」。盛岡市山岸3丁目の通称・桜が丘団地の坂道に、近くに住む藤沢岳豊=本名誠=さん(91)が詠んだ川柳を書いた木製の碑が立つ。地元の山岸3丁目町内会(豊村徹也会長)が、坂道に苦労している地域の人たちを明るく励ましたいと、2009年5月に設置した。

  同団地は1970年ごろ、小高いリンゴ畑跡を造成して開発された。見晴らしはいいが、坂道は、かなりの急勾配。それでも山岸駅方面から団地に通じる一番の近道とあって老若男女が行き交う。

  スクールガードとして毎朝、坂道の途中で山岸小の児童を迎える深倉尚充さん(73)も「学校に急ぐ子どもたちは、気に留めていないようだが、ずいぶんいい川柳を作ってもらった。励みになる」と目を細める。

  国鉄OBの岳豊さんは73年から05年まで川柳はつかり吟社を主宰。県内外の会員が作品を寄せる句集「川柳はつかり」は通算500号を数えた。脳梗塞を患い、治療に専念した時期もあったが無事に快復。現在は一人暮らしで、身の回りのことは、ほとんど自分でする。月に1度の句会には欠かさず出席。町内会報「森が岡」にも作品を寄せる。隣に住む息子らとの温泉巡りが何よりの楽しみという。

  「短歌も、俳句も、川柳も、と欲張る人もいるが、やはり一つを極めなければ」と岳豊さん。「川柳は自身をさらけ出し、ありのままの心を詠む。面白みがあっても品がないといけない」と力を込める。

  「真っ直ぐな暮らし 真っ直ぐいのち延び」。書斎に掲げた自作の川柳は日々、自身を律し、励ましてくれる大切な一句。次代を担う子どもたちにも伝えたい一句だ。
     (馬場恵)


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