盛岡タイムス Web News 2014年  10月  26日 (日)

       

■ 草の根に続く市民の絆 岩手山西会 時代の困難乗り越えて 第26回友好の翼訪中記(上)

     
  長治市で岩手と山西省との友好を確かめた訪中団一行  
 
長治市で岩手と山西省との友好を確かめた訪中団一行
 


  岩手山西会(大内豊会長)の第26回「日中友好の翼」の7人の団員が8日から12日まで訪中した。日中関係が難しい局面を迎えている今、草の根の友好を絶やさず、民間から両国の未来を切り開こうと交流した。岩手山西会の28年に及ぶ活動は山西省にしっかりと根付き、困難を乗り越え、両国の絆を結び直そうと心を通わせた。(団長・大内豊盛岡タイムス・日刊岩手建設工業新聞社社長)

  一行は10月8日、仙台空港を午後3時25分発の中国国際航空で上海空港に向かった。上海着は午後5時45分だが、盛岡との時差は1時間であるから、約3時間20分の所要となる。上海から長治市までの便は、国内便が1日1往復運航されていて、上海〜長治間は1時間55分となっている。

  1986年に発足した岩手山西会は今年で28周年を迎えた。中国山西省と岩手の交流を深め合おうと結成されたのだが、日中政府間の関係が芳しくないとして、この3年間は交流が途絶えがちだった。

  30年の節目の年を目前に友好親善の絆を継続させようと考え、今回の訪中となった。3年前には山西省の省都太原市と長治市を訪問しており、山西省からの訪日もあったが、その後は山西省からの訪日も途絶えていた。

  岩手山西会は発足から2000年までの14年間、中国山西省の青年たちを農業技術研修生として総計119人、岩手に受け入れた。関係官庁、農業関係、民間企業の全面的な支援を受け、また、ホームステイでは受け入れ先の献身的な世話と地域、職場の人たちとの触れ合いを大事にしながら、約半年間の研修を実施した。

  研修種目は、農業、畜産、養鶏、食肉加工、建築、土木、設計、電機、服飾、漆工芸など17業種にわたり、それぞれの分野の先進的な技術の取得、日本語の習得、さらには地域の活性化や人間関係の絆を深め合うことにあった。研修生はトラブルもなく、日本文化に触れて帰国。やがて中国の大地で活躍し、岩手はもとより、日本のよき理解者となっている。

  97年には、日中国交正常化25周年事業として、日中友好交流の実績を元に、日本の進んだ農業技術を広く中国農村に普及させる拠点として、山西省長治市と協力し、日中友好農業技術開発センター・交流農場、愛称名「日中友好農場」6fの建設に着手。完成後、長治市に寄付している。

  一面のコーリャン畑だった凍土を砕きながら、果樹園を造成し、日本の優良品種のリンゴ、梨、桃、桜桃などの苗木2500本を送り、現地の作業員と共に植栽した。土壌地質や気候風土の異なった中国大陸であり、技術指導員の派遣、また、金銭的な支援などで植栽指導に心血を注いできた。

  現地の農場正面の記念碑には心づけを頂いた支援者の住所氏名が刻み込まれている。気候風土の問題や技術継承の問題などから、良質な果樹や野菜などの生産を上げるためにはさまざまな課題をかかえているのが現状であると見られている。

  日中友好の翼は、帰国した研修生を訪ねるといった趣旨と、国際交流の促進、いわて花巻空港滑走路延長、国際化時代への提言として、1990年5月から岩手県初の中国国際チャーター便として20回を運航し、総計2千人の参加、往復4千人の中国訪問を実現させている。

  21回目からは、成田、羽田などの定期便利用による日中友好の翼を主催し、今回は26回目となるが、いつの訪中でも現地の熱烈大歓迎を受けている。

  10年前からは、教育交流に重点を置いて、盛岡中央高校と長治二中、日本では高校の姉妹提携、盛岡情報ビジネス専門学校日本語学科に山西省から留学を促進し、日本語をマスターした後は、岩手大学、大学院、その他大学への進学に実績を挙げている。

  そのほかにも、山西省から単独での来日、来県があり、その懸け橋を岩手山西会が果たしている。東日本大震災津波に際しては、山西省、技術研修生らで来県された方々から過大な見舞金が送られている。県の国際交流課、ホームステイでお世話になった家庭宛てに岩手山西会役員が手分けしてお届けしている。


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