盛岡タイムス Web News 2014年  10月  26日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉74 菅森幸一 紙鉄砲

     
   
     

 学校に余計な物を持って来るなというルールは今も昔も変わりはないが、当時のジジたちにとって学校は手作りの玩具の見本市のようなものだった。

  そんな中でも不変のメーングッズは空気圧を利用した紙鉄砲である。紙を口の中でよくかみ砕いたものを竹筒の両端に込め竹箸で強く突くと「ポン」という音とともに先端の紙玉が勢いよく飛び出す。杉の芽や山吹の髄を紙玉のように使う物もあったが、いずれも良くかんだ紙にまさるものはなかった。

  強く、遠くへ飛ばすためにジジたちは鉄砲製作の技術を競い合ったが、それにも増して紙玉の材質や口中における紙のかみ方の工夫も大事だった。何といっても理想は和紙だが、物不足の時代だからそんなぜいたくは言っていられない。よくて半紙、普通はノートの切れ端か新聞紙だ。

  休み時間になると黒板いっぱいに描いた的に向けて各自が自慢の鉄砲で腕を競う。標的に紙玉がベッタリくっつくようになるまでには、かなりの訓練が必要で、それまでには無数の唾液まみれの紙玉が黒板の前に散乱することになる。夢中になって先生に見つかっての大目玉は数知らずさ。


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