盛岡タイムス Web News 2014年  10月  29日 (水)

       

■  岩手山麓農業水利事業 受益者の経営安定化へ 老朽施設を大規模改修 総事業費240億円で着手へ


 国による岩手山麓農業水利事業は11月にも事業計画が確定する見込みとなり、老朽化施設の改修に必要な施設や用地の測量・設計が年度内に行われる。2015年度には盛岡市と滝沢市にまたがる現地で工事が本格的に始まる。受益面積1574f、受益者1468人の農業用水の安定供給と施設維持管理コストの低減、農業経営の安定化が図られる。22年度までの9年間で総事業費は県分も含め約240億円が投じられる。

  事業は1941(昭和16)年から68(同43)年にかけて行われた国営岩手山麓開拓建設事業の施設改修が目的。事業範囲は岩洞ダム周辺から滝沢市内の南北分水工にかけての東西、分水工から北へ北部主幹線用水路、南へ南部主幹線用水路の南北になる。

  改修は南北が延長32・4`。うち国営17・3`、県営15・1`。東西は分水工から岩洞第二発電所まで2・4`が国営、第二発電所から東の第二渋民主幹線用水路分岐地点と岩洞第一発電所以東の一部の計0・8`が国と県企業局が共同で実施。総延長は35・6`におよぶ。

  総事業費240億円の内訳は国分が175億円、県企業局分が29億円で計204億円。南北の主幹線用水路の県営分は別事業を活用して36億円を見込む。岩洞第二発電所から岩洞ダム周辺までの水路については大部分が改修を行わず既設の施設を継続利用する。

  主な工事は▽北上川(四十四田ダム)に架かる横断逆サイホンの耐震性を考慮した橋脚補強、鋼管の補修▽滝沢市大崎、野沢の住宅密集地やIGR線そばを流れる開水路などの地下埋設約1`▽岩洞ダムの漏水部分の観測施設整備│ほか、管水路の漏水対策、補修などとなっている。

  受益地域では、2008年に行政と土地改良区などで構成する岩手山麓地区国営土地改良事業促進協議会(会長・井上良一岩手山麓土地改良区理事長)を組織。早期の事業採択と着工を要望。受益者の95・7%、1405人の同意を得て事業申請をした。

  8月には滝沢市篠木地内に事業建設所(本間光彦所長)が開所された。両市との連絡調整など準備期間を経て28日に農水省の佐々木康雄東北農政局長や県、両市、促進協関係者ら約60人が出席して開所式が開かれた。

  事業計画は現在、11月4日まで両市で縦覧が行われており、19日までに異議申し立てがなければ、20日に計画が確定する見込み。法的手続き終了後、建設所は年度内に水路などの構造物の設計、用地や水路の測量を行う。15年度に工事発注し、工事が本格化することになる

  佐々木局長は開所式で「事業を着実かつ適切に実施し、農業生産性のさらなる向上、農業経営の安定化に努める。当事業による基盤整備を原動力に、地域全体での食料生産の体質強化が一層図られることを期待する。その実現に最大限度力する」と述べた。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします