盛岡タイムス Web News 2014年  11月  3日 (月)

       

■  秋の叙勲に県内から77人


 政府は3日付で秋の叙勲を発表した。全国で4033人が受章。このうち県内在住者は77人。県外在住で本県の本籍が7人と、本県関係者は84人となる。県内在住の中綬章以上は盛岡市の2人で、岩手大名誉教授の伊藤昌夫さん(85)、岩手医大名誉教授の關山三郎さん(78)が教育研究功労で瑞宝中綬章を受章。中綬章以下の伝達は各省庁大臣から11月中旬に行われる予定。総務省関係の小綬章以下と厚労省関係の双光章以下は5日、盛岡市で知事から伝達される。

     
   「研究と制作に打ち込み、今も本と作品に囲まれて暮らしている」と話す伊藤さん  
   「研究と制作に打ち込み、今も本と作品に囲まれて暮らしている」と話す伊藤さん
 

  盛岡市の伊藤昌夫さん(85)は大学教授としての長年の功労が認められ、瑞宝中綬章を受けた。受章を受け、伊藤さんは「叙勲というものを知ってはいたが、自分がそうなるとは考えてもいなかった。びっくりした」と話す。

  伊藤さんは千厩町(現一関市)生まれ。1953年に岩手大学学芸学部を卒業し、同年5月から同大の助手として務めた。美術教育を研究しながら、自らの絵画作品制作にも情熱を持って取り組んだ。74年には同大教授となり、95年に退官した。

  「セザンヌという画家が好き。説明的でない象徴的な絵を描き、『身に染みて分かる』という仕事をしたいと思ってやってきた」と伊藤さん。研究分野は美術教育だが、そのために医学用解剖学や心理学にも理解を深めた。「一生懸命に、広い分野を学んできた」とこれまでを振り返る。

  現役時代から新制作展(東京都)に毎年出展を続け、県民会館での個展も計画中。仲間との関わりも続き、市内の美術教育の研究会には毎週足を運んでいるという。「自分の生活に加え、仕事や世の中も分かり、ありがたい生活ができた。感謝している」と語り、次なる仕事への意欲を燃やしている。

     
  母子支援を続けてきた佐藤ムツさん  
  母子支援を続けてきた佐藤ムツさん
 

 元日本助産師会岩手県支部長の佐藤ムツさん(84)=盛岡市=は、保健衛生功労で旭日双光章を受章した。1950年代から看護師、保健師、助産師として岩手のお産に関わり、母親の心と体に寄り添ってきた。自宅出産から病院出産へ、妊産婦の環境は大きく変わったが「お母さんが元気だと家庭が明るくなる」と、信念を持ち母子の支援を続ける。

  志和村(現紫波町)出身で、54年から盛岡市保健センターに勤務。嫁ぎ先では義母が助産師として開業していた。

  退職後の86年から10年間、自宅で母親教室を開催。病院出産を控えた妊産婦を迎えた。「家が農家で子どもも一緒に田畑で遊んだ。魚も切り身で海にいるわけではない。本当のものは何なのかを土から伝えたかった」。病院の健診結果の相談に応じ、出産に必要な物を一緒に備えた。

  延べで11年支部長を務めた同県支部で力を入れていたのが「7ばんめのポッケ」の相談事業。「(両親、両祖父母に次ぐ)7番目でもいいから役に立ちたい。出しゃばらないで気楽にお話をしたい」と心掛ける。

  一男二女の母親。自身の経験から「子どもとの約束は守る、うそはつかない。このことが大切。家庭円満が何より」と母親の顔をのぞかせた。


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