盛岡タイムス Web News 2014年  11月  5日 (水)

       

■  AKB事件初公判 アイドル襲った動機は 失業不満、刹那的に(検察)、犯意の一部否認(被告)


 滝沢市の岩手産業文化センターで今年5月、アイドルグループAKB48のメンバーに切りつけた青森県十和田市の無職の男性被告(24)の公判が4日、盛岡地裁で開廷した。被告はグループメンバーの川栄李奈さん、入山杏奈さんとスタッフの男性に対する傷害と銃砲刀剣類不法所持の罪で起訴された。初公判で検察側が起訴状を読み上げ、被告はメンバーに対する犯行の事実は認めたが、スタッフへの傷害については犯意を否認した。検察側は自己の失業状態の不満を解消するため、刹那(せつな)的に無関係なメンバーを襲撃したと主張した。

  被告は今年5月25日午後4時54分、滝沢市の県産業文化センターの握手会で川栄さん、入山さんとスタッフに刃物で切りつけて傷害を負わせ、同日、盛岡西署に殺人未遂容疑で逮捕された。検察の取り調べでは殺人の危険を確信した犯行とは認められず、傷害罪により起訴した。鑑定留置が行われ、逮捕後5カ月後の初公判となった。

  起訴状によると被告は川栄さん、入山さんに対し、カッターナイフの替え刃4枚を刃体の両面に接着した折りたたみ式のこぎりで、頭部などを数回切りつけて傷害を負わせた。

  制止に入った20歳代の男性スタッフにのこぎりの刃体をつかませて、傷害を負わせた。それぞれ全治6カ月に及ぶ切創、骨折などを伴った。のこぎりは折りたたみ式で、刃渡り約20・6a、カッターは刃渡り約12・6a。正当な理由なく所持していた。

  法廷に被告は黒いシャツ姿で現れた。起訴状に対して、「けがさせていない」と一部を否認したため、岡田健彦裁判官は公判を一時中断。弁護人が被告の真意を確認して再開した。被告は男性スタッフに刃体をつかませたことは認め、傷害を負わせるつもりはなかったことを主張した。

  検察側は冒頭陳述で、被告が十和田市の自宅で失業状態にあったとき、AKB48のテレビを見た際の心理に動機を求め、「AKBはテレビに出て多額の収入を得ていると思い、自分と正反対のグループへの不満を抱いた。ネットで滝沢市の握手会を知り、会ってけがをさせ、自分の不満を解消しようとした」と主張した。

  メンバーの中から二人を襲った理由については、会場の配置や客の並びなどから狙いやすい条件があったこと、メンバーに対する無差別な犯意を抱き、スタッフの制止を振り払おうとしたことなどを陳述した。次回の公判は12月1日。被告人質問などが行われる。

  事件は全国に大きな衝撃を与えたため、多数の傍聴人が詰め掛けた。傍聴券は盛岡市内丸の県公会堂で抽選し、132人の応募に対して28人が当選した。法廷への入場に際しては金属探知機をくぐり、凶悪犯罪の公判に際して、法廷の保安に万全を期した。


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