盛岡タイムス Web News 2014年  11月  6日 (木)

       

■  フードバンク岩手が発足 困窮者を支援 余剰の食料、善意に転換 協力を呼び掛け


     
  フードバンク岩手の活動をアピールする小島進代表と阿部知幸事務局長  
  フードバンク岩手の活動をアピールする小島進代表と阿部知幸事務局長
 

 家庭や職場で余っている食料品を集め、生活困窮者らに寄付する支援事業「フードドライブ」に取り組む、任意団体「フードバンク岩手」(小島進代表、盛岡市上ノ橋町1の50)が10月、発足した。今月17日から約1カ月間、デパートや社会福祉協議会の事務局などに窓口を設けて市民からの寄付を募り、支援の輪を広げる。関係者が5日、県庁で記者会見し活動の趣旨を説明した。市民の善意に基づいた食料支援活動で、生活困窮者の社会的な自立を後押ししたいという。

  フードバンク岩手は、東日本大震災の被災者支援活動を展開するSAVE IWATEが呼び掛け、県内でパーソナルサポート事業や引きこもりの若者、障害者らの就労支援に取り組む6団体が参加して設立した。

  厚労省の発表では2012年時点の日本の相対的貧困率は16・1%。6人に1人が貧困層にある。各団体は、それぞれの支援事業を進める中で、社会的に孤立し、生活保護基準以下で暮らしている人が、相当数に上ると実感。生きる根幹を支える食料品を支援することで、生活を立て直す一歩を踏み出してもらおうと、協力して事業を進めることにした。

  寄付を求めているのは、家庭や職場で余っている米や調味料、インスタント食品、粉ミルク、贈答品など。賞味・消費期限が1カ月以上で、未開封のもの。集まった食料品は盛岡市内の事務局で仕分けし、生活困窮世帯や児童施設、障害者施設などに提供する。

  生活困窮者に対しては、専門のアドバイザーが暮らしの立て直しを助言しながら、最低限、必要な食料を渡し、社会的な自立につなげる。

  17日から約1カ月間は「フードドライブ」のキャンペーンを展開。県内のデパートや社会福祉協議会などにも窓口を設け、市民からの寄付を募る予定だ。

  SAVE IWATEの面接調査によると、震災で盛岡地域に避難している約700世帯のうち、約80世帯は食料支援が必要な困窮世帯。フードバンク岩手では当面、盛岡地域と沿岸部を中心に250〜300世帯への食料配布を目指す。

  活動に参加する、これからのくらし仕事支援室の山口貴伸室長は「生活保護を申請しても、実際に金銭的な支援を受けられるようになるまでには時間がかかる。行政やボランティアの枠を超えて、地域で生活困窮者を救う仕組みが必要」と強調。

  障害者や若者の就労支援に取り組む、いわてパノラマ福祉館の高舘美保子理事長も「育ってきた環境で働きたくても働けない若者が大勢いる。職業紹介だけでは解決できない問題が多く、社会との関わりを作る広い支援が求められる」と活動の意義を訴えた。

  15日午後1時からは盛岡市紺屋町の市勤労福祉会館で「孤立と貧困を放置しない地域をつくるために」と題した生活困窮者支援フォーラムも開く。
  フードバンク岩手は電話019―654―3545。


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