盛岡タイムス Web News 2014年  11月  30日 (日)

       

■ 養蚕文化を後世に 紫波町 赤沢郷土資料館に別館 昭和まで生計支えた約70点展示


     
  養蚕や織物道具をまとめた赤沢郷土資料館別館  
  養蚕や織物道具をまとめた赤沢郷土資料館別館
 

 紫波町赤沢駒場地内に29日、養蚕用具や織物道具をまとめた資料館がオープンした。赤沢郷土資料館(藤原栄孝館長)の別館として、同地区で盛んだった養蚕の文化を後世に残そうと設置。以前から同資料館本館に展示していた品や、新たに地域住民から寄贈があった用具など約70点を繭の生産から、生糸の精製までの流れに合わせて並べた。農家の家計を支えた道具の数々を通して、次世代に昭和期の文化を伝える。

  赤沢地区では1939(昭和14)年に、農家の半数近い159戸で養蚕が副業として行われていた。1955(昭和30)年ころからカイコの餌となるクワが、葉たばこや果樹の普及により減少し、養蚕自体も少しずつ姿を消していった。

  展示品は全て赤沢地区の住民から寄贈されたもの。展示物で最も貴重なのは、カイコの卵を温めてふ化させる催青器(さいせいき)。組合などで1台所有し、幼虫が集落に分けられた。ほか、クワの葉を切る桑切り機やカイコが繭を作る巣になる簇(まぶし)織り機、繭の分量を量る升などがある。

  織物や製糸関係では、繭から生糸を引き出して巻き取る座繰(ざぐり)、生糸から真綿を作る真綿掛、機織り機や糸車などが並ぶ。

  同資料館では、同地区の工藤直さんから約50点の寄贈を受け、昨年から別館を設け養蚕や織物道具を展示しようと取り組みを始めた。本館は産金道具がメーンで、養蚕関係の展示数は限られていたという。別館の広さは約45平方bで、JAいわて中央所有の建屋を無償で借り受けた。

  同日の開館セレモニーには同資料館運営協力会員ら約20人が参加。今後は機織り体験の実施などを視野に入れる。

  藤原館長は「一地区に資料館を設け、展示していることについては好評をいただいている。まだまだ展示できていない資料もある。今後も皆さんの知恵を借りながら、貴重な資料を後世につないでいけたらと思う」と話していた。

  入場無料。午前9時から午後4時まで。土日祝日は予約が必要。

  問い合わせは町赤沢公民館(019―676―3036)まで。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします