盛岡タイムス Web News 2014年  12月  1日 (月)

       

■  〈幸遊記〉203 照井顕 近藤克人のWAZZ総研


 昨年、今年と、開運橋のジョニーに現れた千葉県柏市在住の近藤克人さん(51歳・一橋大学社会学部卒・富士通入社、米国タフツ大学に学びマスターオブアーツを取得して卒業、現・産業翻訳者)から全国47都道府県のジャズ喫茶、その存在の仕方、各地のジャズ祭やコンサート、ストリート、人間性や、音楽資源まで、体感体験した途中経過報告書の様な資料や文章「WAZZ総研」が僕のもとに届けられた。

  「日本ジャズの地域差」を探りたいと思ったのは神戸のジャズ屋の集合具合。入った店の雰囲気が東京と違うと感じたことからの始まり。「西と東の分かれ方、ならば東北は?九州は?沖縄は?プレイヤーの南北の違い、米国と日本のアドリブ(即興演奏)の違い、その原因は何か?仮に話す様に吹くことがサックスのアドリブの理想であるならば、地域によって話の速度、抑揚の違い、すなわち言語的な地域差異へとジャズ演奏が収斂(しゅうれん)していくのではないか」との彼の仮説の実証見聞録なのであった。

  広島の「筆の里」博物館で、「日本人が文学を書く上で筆が重要な役割を果たしていることを学び、絵や化粧の道具として世界に輸出されていることから『アメリカのジャズは中国の漢字に相当する』」に至った。「遣唐使が学び日本に伝わった漢字。貴族の漢字による公式文書、漢文を読みやすくするため僧侶が作ったカタカナ。宮廷女流貴族が作ったひらがな。その過程で日本人はある発明をする。それが訓読みだった。そこで私には一挙にある考えが降りてきた。縄文・和歌山(カタカナ)、書、文学、ジャズ、インプロ(即興)全てが一つのことを教えてくれていた」。

  彼は「それまでの苦労や人生の躓(つまずき)などは、その時瞬間に全て報われた」と感じたらしい。そして「自分の中で考えていた音楽も頭の中で完成した」とある。彼は僕の店に来る前、岩手県立図書館で『縄文ジャズ物語』を読んで来た(昔僕が書いた本)。「あの小説の中には自分の考え求めていたものがあった」と言い、ピアノで自分がアレンジした「君が代ブルース」を弾いてくれた。手紙には「君が代と『さくら』の2曲でジャズが実は邪頭として日本人が生み出せた(出していた)可能性があったことを音楽的に気付かせることは可能」と、あった。さすがWAZZ創(総)研者!


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