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三嶋さんの自宅で毎週開かれる「メノコ会」 |
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11月8日と9日、盛岡市館向町の館向町公民館で恒例の文化祭が開かれた。作品展では小中学生の絵や工作、町内長寿会による書や絵手紙、町内有志のパッチワークや俳句エッセーなど、多彩な作品が来場者を楽しませた。主催した町内会文化部の小野宏部長代理(80)は「高齢化などで作品数は減っているが、作品の質は上がっていると感じる。子どもたちの作品は丁寧になっているし、大人は完成度が高くなっている」と話した。
同祭最年長の出展者は、手作りの袋物を出展した「メノコ会」の講師・三嶋益子さん(95)。古布のパッチワークで巾着袋や手提げ袋を制作し、3人の生徒と展示した。
三嶋さんは定年まで小学校教員を務めた後、紙人形や木目込み人形、貝人形、本格的な日本人形などあらゆる人形作りを習った。人形美術協会により師範にも認定されている。その後、昔の制作で余った布を使って近所の人に裁縫を教えるようになる。「近所のおばあちゃんたちとお茶を飲みながら手を動かし始めたのが始まり。人の悪口だけは言わない決まりで楽しく続けてきた。最初の皆さんが亡くなった後も、その娘さんたちが来てくれた」と三嶋さんは目を細める。
近所の人から母の残した着物を寄付されたときは、生徒たちと作務衣を作って文化祭に出展した。展示後は1着を寄付した人に贈り、他は高齢でも家事をこなす町内の人たちに配ったという。
生徒の1人、高橋正子さん(75)は「先生は博学で何でも分かっている。次に何を教わるんだろうという楽しみがある」と笑顔で話す。三嶋さんは「若い人とおしゃべりができるのが楽しい。友達ができるのが、やっていて良かったこと」と明るく語った。
(相原礼以奈)
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