盛岡タイムス Web News 2014年  12月  5日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉228 草野悟 ベトナム留学生におもてなし


     
   
     

 11月の中旬、今年一番の寒さでした。区界は真っ白になり、岩手山も雪化粧です。朝から小雪が舞う矢巾の高舘農園に、ベトナムからの留学生14人がリンゴ狩りにやってきました。19歳の若者たちで、実に礼儀正しく、まだ覚えたての日本語で「とてもうれしい。皆さまの親切を生かしてこれから頑張ります」「私の将来の目標は経営を学び国際交流に役立つことです」と、将来の目標と人生設計をしっかりと持っていました。居並ぶ大人たちは「日本の子どもたちに聞かせたい」とため息交じりです。

  高舘農園の一家は毎年、無償でベトナムの子どもたちにリンゴ狩り体験を提供しています。一家総出で3日前から準備し、お昼に「芋の子汁」と農園自慢の「新米おにぎり」をたくさん作り振る舞いました。三陸鉄道を勝手に応援する会の阿部正樹顧問と、元岩手朝日テレビの川崎道生社長と私も参加してご相伴にあずかりました。阿部さんは、ベトナムとの交流の会の会長さんでもあります。

  ベトナムの若者たちは、盛岡情報ビジネス専門学校日本語学科に通い、日本の大学進学などを目指しています。雪もリンゴも初めての体験でしたが、きゃぴきゃぴ騒ぐだけの体験ではなく、天使のような純真な瞳で、一粒一粒、大事に収穫しました。何よりも素晴らしいのは、「感謝の心」をしっかりと表していたことです。

  受け入れている学校の瀧澤正美理事長と工藤昌雄校長も一緒に摘み取り作業をし、貴重な体験をサポートしていました。若者たちがお礼にと、自国の歌を歌ってくれました。最初は全員で国家を、次は一人ずつ歌いました。カナリアのような美しい声で女子生徒が歌うと、日本のお父さんたちは大感動です。ベトナム語を理解しているかどうかは別として「素晴らしい」の大拍手です。

  高舘家の皆さま、本当にありがとうございました。東京からこの日のために里帰りのようにやってきた川崎さんも感激、感動、感謝と涙を浮かべて初めてのリンゴ狩りを楽しみました。素晴らしい秋の一日でした。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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