盛岡タイムス Web News 2014年  12月  7日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉77 菅森幸一 野良

     
   
     

 当時ジジたちのまわりに、今は死語に近い野良犬や野良猫が普通にウロチョロしていた。食糧難の時代だから飼い犬は少なく、それですら放し飼いで人間の食べ残しをあさって生きており大部分は和の雑種・駄犬の類いだったがジジたちとはめっぽう仲が良く格好の遊び仲間だった。

  町内では放し飼いにされた犬を共有し番犬がわりに認めたりしたもんだから、それに便乗した野良犬たちも一定の距離を置きながらも何となく町内の一員のような顔をして比較的動物好きの家の軒先で寝起きしたりしていたんだよ。

  ジジたちの暇つぶしの相手にされた犬や猫こそ大迷惑さ。墨汁で体中に落書きされたり、着色した新聞紙の大きなリボンを付けられたり、手拭いで頬かぶりさせられたり、たわいもないいたずらの相手を我慢しながら一緒に遊んでくれたもんだ。

  戦後、闇市ができて「焼き鳥屋」なる店が出始めた。その材料は「犬の肉」だという情報が流れてきて、何となく近所をうろついていた野良犬の数が減ったように感じられた。ジジたちは通称「犬殺し」と呼んでいた野犬狩りの人たちから犬たちを守ろうと必死だったよ。
 


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