盛岡タイムス Web News 2014年  12月  21日 (日)

       

■  〈ジジからの絵手紙〉78 菅森幸一 たきび 焚火


     
   
     

 今では町の中で焚(た)き火なんぞしようものなら、煙が迷惑だとか洗濯物が汚れるだとか近所から苦情がくるそうで、まごまごしていると消防署からもキツイお小言をちょうだいするはめになるようだ。

  ジジたちが子どもの頃は、近所の空き地や道路脇や庭などで落ち葉を集めると、ごみと一緒に必ず火を付けて燃やしたものだ。同時に藁(わら)や俵(たわら)を燃やして火鉢や囲炉裏(いろり)に入れる良質の灰を作ったりと、焚き火は冬に備えての大切な生活の区切りの一部であるばかりでなく、燃え盛る炎を中心に家族や近所の人々のだんらんの場でもあったんだよ。

  中でも子どもたちにとって何よりもうれしいのは焚き火に付きものの「焼きイモ」作りだ。どこからともなく漂ってくる枯れ葉の燃える匂いを敏感に嗅ぎつけ、家にある数少ない主食のサツマイモやジャガイモを手に焚き火に群がる子どもたちがいる光景は、今では見ることのできない初冬の風物詩だ。

  焚き火は秋から冬にかけての季節のリレーゾーンみたいなもので、そういえば下駄(げた)や足駄(あしだ)に泥や雨水を防ぐためにかける覆い(つまかわ)を付ける作業も焚き火にあたりながらやったような気がする。


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