盛岡タイムス Web News 2014年  12月  31日 (水)

       

■  厳しい冬を住民協働で 滝沢市 上の山まごころ除雪隊始動 国交省の補助活用 モデルケースの試み


     
   住民主体で除排雪作業に取り組む「上の山まごころ除雪隊」=29日、滝沢市鵜飼の上山団地  
   住民主体で除排雪作業に取り組む「上の山まごころ除雪隊」=29日、滝沢市鵜飼の上山団地
 

 滝沢市の上の山自治会(秋元亘会長)は、国土交通省の補助事業で除排雪用ホイルローダーなどをリースし、住民総参加の「上の山まごころ除雪隊」の活動に取り組んでいる。行政任せ、業者頼みの除排雪から脱皮し、住民協働の除排雪モデルケースを作ろうという試みだ。高齢化が進む中、コミュニティーを住民自ら守る意識の醸成にもつながると期待されている。

  同除雪隊の中心メンバーは、元重機オペレーターらに自治会役員を加えた17人。自治会の中から重機やトラックを運転できる免許所有者を募った。冬の間、自治会がホイルローダー1台と4dトラック1台を業者からリース。最も手を焼いている除雪車通過後に玄関前へ積み上がる雪の排雪に取り組む。重機運転の指導経験がある住民を講師に、研修会も開催。12月21日から本格的な活動を開始した。

  作業は毎週日曜日。午前と午後、重機運転や誘導係のスタッフを入れ替えて実施。住民は、区画ごとに決めてある作業時間に合わせて玄関前や側溝の雪を道路中央にかき出し、ホイルローダーがまとめて押し出せるよう協力する。市役所から借りた軽トラックや住民所有の小型重機も活用。集めた雪をトラックに移し、排雪場の公園や空き地に運ぶ。

  3月まで冬季間を通した活動のため、1時間当たり重機運転者には600円、トラック運転者には400円、重機の誘導係を務める作業補助員には300円の謝礼を支払う。

  同自治会のある同市鵜飼の上山団地は、山の斜面を削って1970年代から80年代にかけて開発された。現在、244戸、278世帯。当初は30〜40代の若い世帯が中心だったが、巣立った子どもは、なかなか戻らず、今では全居住者の約4割が65歳以上の高齢者だ。

  これまでも協力して雪かきに取り組んできたが年々、参加できる人数は減少。「個人の意欲に頼るだけでは限界がある」と新しい仕組み作りに挑戦した。

  ホイルローダーを運転する三上恭男さん(64)は「たまたま重機を運転できる免許を持っていた。地域の役に立てるといい」。秋元会長(67)も「住民が協働する『結』の関係づくりは、ますます重要になる。住民自治日本一を掲げる市のモデルケースになれれば」と張り切る。

  同自治会事務局長の高橋盛佳さん(71)は「住民自ら動けば、市の除雪費用の圧縮にもつながる。住民を巻き込んだ市独自の除排雪政策に発展してほしい」と話した。

  取り組みは、国土交通省の補助事業(雪処理の担い手の確保・育成のための克雪体制支援調査)に採択され、重機のリース代など補助金100万円が認められた。今年度の採択は、全国11団体で、県内では上の山自治会のほか、奥州市社会福祉協議会の「えさしスノーバスターズ」が選ばれている。

  滝沢市都市整備部道路課の太田城人課長は「行政による除雪作業だけでは行き届かないところもある。住民主体の取り組みが広がってほしい。地域の中のつながりを深める効果もあるはず」と期待する。

 


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