盛岡タイムス Web News 2015年  2月  1日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉81 菅森幸一 リンゴの唄

     
   
     

 元気いっぱいの前奏と明るく軽快なメロディー、それにすがすがしい歌声が日本中に夢と希望を与えてくれたのが「リンゴの唄」だ。戦後初の松竹企画作品としてわずか2カ月後に封切られた「そよかぜ」という映画の主題歌で、「並木路子」が歌った日本人なら誰でも知っているといわれた空前の大ヒット作だ。

  何しろ終戦後の数カ月は、映画会社でも頭を切り換えるのには時間がかかったらしく、どの映画館でも戦前の古い映画をひっぱり出してお茶をにごしていた。映画「そよかぜ」は劇場のオーケストラ部員(上原謙・等)と同じく照明係の下宿の娘(並木路子)との淡い恋物語という他愛もないものだったが荒廃した世情にさわやかな新風を送ってくれた。

  盛岡では昭和20年11月1日から中央映画劇場で公開され、これをもって戦後興行史のスタートとされているらしいが、残念ながらジジはこの映画を見ていないんだ。どんな場面でどんな歌い方をしたのか知っている人がいたら聞いてみたいといつも思っているが、歌の方はラジオにしがみついて誰よりも早く歌詞を覚えようと必死だったよ。


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