盛岡タイムス Web News 2015年  2月  4日 (水)

       

■  〈花林舎流庭造り─よもやま話〉25 野田坂伸也 庭の多様なタイプ


 今回は「外光の下の心地よい場所はどのようにして見いだされるか、どのようにして造られるか」についてお話しすることにしていたのですが、前回見落としたことがあるのに気付きましたので先にその話をします。

  前回は野澤清さんの「造園とは外光の下で心地よさを感ずる場を造ることである」という言葉を紹介しましたが、現在の庭はそれに加えて「庭は所有者の自己発現の場の一つである」という状況になっています(すべての庭がそうだというわけではありませんが)。

  野澤さんが活躍しておられたころはまだガーデニングは始まっておりませんでしたから、庭は富裕者のステータスシンボルの一つとして造られることが多かったので庭は芸術作品であり、庭師の自己発現の場でしたが、今は庭の所有者の自己発現の場に変わりました。このことはこの連載の第2回、第3回にお話ししました。

  ただし、「心地よい場所を造り、好きなように庭いじりをする」と言うのが、現代の庭の一つの理想であると仮定しても、その庭のタイプは一つではありません。本屋に行って庭と園芸の棚を眺めてみましたところ、今の日本にはおおむね次のようなタイプの庭があることが分かりました。

     
  今は珍しくなった仕立て樹形スタイルの庭  
 
今は珍しくなった仕立て樹形スタイルの庭
 


  @花いっぱいの庭。木ではバラが圧倒的に多い。草花では宿根草が多い。いわゆるイングリッシュガーデンタイプ。

  Aエクステリアの工作物がメーンになっているタイプ。

  B「雑木の庭」と呼ばれるタイプ。

  C野菜畑、ハーブ、果樹など食べられる植物主体の庭。

  D私にはガラクタとしか思えない器物、置物などと鉢植えの植物が組み合わされた、都会風の庭(?)。東京の中心地ではずいぶんはやっているとのことです。

  E自然の野山の一部を移してきたような庭。

  F従来の伝統的な日本庭園。

  G日本庭園と現代風(?)の構造物や植栽がミックスされた庭。

  H古い民家や農家の周りにあったような風景を作ろうとした庭。

  まだ本にはなっていないけど、さらにいろいろな試みがなされているのではないかと思います。ガーデニングが始まってから十数年たちましたし、伝統的な日本庭園を注文する人が激減してからずいぶんたちましたから、庭師さんたちもその対策を考えているでしょう。

  さまざまなタイプの庭が出てくるのは当然だと思います。とはいっても今は圧倒的にイングリッシュガーデンスタイルの庭が多いのは皆さんご存じのとおりです。

  そこでイングリッシュガーデンとはどんな庭で多くの人はそのどんなところに魅力を感じているのか、調べてみることにしました。もっとも、当のイギリス人の造園家には「イングリッシュガーデンなんてのはありません」と言う人がいますので困ってしまうのですが、まあ適当にやってみます。


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