盛岡タイムス Web News 2015年  2月  20日 (金)

       

■  つなぎ源泉管理 地熱発電で地域再生へ 先進事例を報告


     
  地熱利用先進地の視察成果を共有した報告会  
 
地熱利用先進地の視察成果を共有した報告会
 

 地熱バイナリー発電の導入を計画している、盛岡市繋のつなぎ源泉管理(佐藤匡子社長)と同市は19日、「地域地熱開発理解促進報告会」をつなぎ温泉愛真館で開いた。繋地区の町内会や観光・宿泊関連団体、市などで組織する、つなぎ温泉地熱利用促進協議会(高橋金兵衛会長、会員22人)の会員らが昨年12月と今年1月に実施した先進地視察の結果から、地熱利用の可能性を探った。同社は早ければ来年度にも発電機を設置予定で、つなぎ温泉の活性化につなげる意向だ。

  報告会には、同協議会の関係者ら約50人が参加。昨年12月に実施した長野県の七味温泉、福島県の土湯温泉の視察、1月の大分県別府市、由布市、九重町の視察の模様を同行した盛岡市環境企画課の職員が発表した。

  このうち、長野県高山村の七味温泉ホテル渓山亭は、93度の温泉が毎分700g湧出。つなぎ源泉管理が導入を検討している同規模の小型バイナリー発電設備を昨年3月に導入し、固定価格買取制度を利用して中部電力に売電している。発電最大出力20`hで稼働中だが、発電効率が悪いため、発電機を増設し35`hへの拡大を目指しているという。

  温泉水を利用した全館暖房、イチゴ、青菜の温室栽培、生ごみのたい肥化などに取り組む様子も見学し、環境に優しい宿作りの実践を学んだ。

  また、大分県では、バイナリー発電に附属したビニールハウスでのキクラゲ栽培や「別府地獄めぐり」と題した温泉の湧出口を巡る観光スタンプラリーなどを視察。日本最大級の地熱発電所である八丁原地熱発電所の行き届いた見学施設などに足を運んだ。

  大分県の視察に参加した同協議会会員の菊地義基・愛真館常務取締役は「観光先進地での地域資源の見せ方が印象的だった。つなぎ温泉でバイナリー発電が実現できれば、市の観光や産業にとっても大きな売りになる。再生エネルギーやつなぎ温泉の歴史を学ぶ小中学生の教育活動の場にもなる」と期待。事業の継続性やイニシャルコストの捻出などを検討課題に挙げた。

  盛岡市商工観光部の沼田秀彦次長は「国の補助金の活用など、事業者の意向を尊重し応援していきたい」と語った。

  つなぎ源泉管理は、繋地区の2カ所の源泉を有し、ホテルや旅館、個人宅など31施設に配湯している。昨年6月から11月にかけ、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の補助事業を活用し、地熱エンジニアリングに委託して地質調査や、湯のくみ上げ試験などを実施。湯の使用量が毎分400g程度であれば、周囲の源泉に影響を与えず、30〜40`h程度の発電が可能であることを確認した。

  新年度も、発電開始後の地域活性化事業などについて、同協議会での検討や学習会を重ね、実現を目指す。

  佐藤社長は「豪雨災害以降、地域を盛り上げたいと走ってきた。成し得るためには皆さんの協力が必要。住民意識が統一され『地産エネルギー』の利活用を考える機会になってほしい」と話す。


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