盛岡タイムス Web News 2015年  2月  22日 (日)

       

■ 許可取り消しの方針 大平地区区画整理 事業収束へ盛岡市 組合の地権者説明会 債務清算は今後の課題

     
   
   設立許可取り消しの方針が説明された盛岡市大平土地区画整理組合の地権者説明会
 


  盛岡市山岸大平などが施行区域の大平地区土地区画整理事業について、許可権者の盛岡市は設立許可の取り消しで事業の収束を図っていく方針を決めた。盛岡市大平土地区画整理組合の地権者説明会(盛岡市、同組合主催)が21日、同市紺屋町の市勤労福祉会館で開かれた。市は「地区住民の利便性を考慮すると、このまま漂流状態で放置することはできないと考え、設立許可取り消しの法的手続きを進めたい」と説明した。同市では2014年度内に許可取り消しの判断をしたい考え。

  設立許可を取り消すことで仮換地指定による土地利用規制はなくなり、組合は法的に解散となる。同時に組合は清算法人としての組織となり、現在の理事を清算人として債務などの清算が行われる。

  市によると組合の債務は7、8億円に上るとみられる。一般的に債務の清算には、組合員への賦課金の徴収や債権放棄などがあるが、市が組合員に対して行った意向調査では、債権や土地利用について不安を持つ声が多くあることから、市は指導・監督の立場から顧問弁護士とも相談しながら組合役員や組合員とともに解決に向けた取り組みを進めていく考え。

  説明会には、組合員ら約80人が参加。同組合からは室野榮一副理事長ら、市からは藤島裕久都市整備部長、宮田晃市街地整備課長らが出席した。市の説明を聞いた組合員からは、今後の債務清算の取り組み方への質問や相続で組合員となった人が多数いる中で事業を継続するのは困難との意見が出た。

  参加した地権者の男性は「組合員も高齢の人が多い。子どもや孫まで引き継げないので、私も早く解散した方がいいと思う。ただ、きょうの説明会では一番知りたい負債をどうするのかというところの説明がなかった。今後どうなるのか、まだまだ時間が掛かると思う」と話した。

  同組合は、2000年5月に県から設立許可を受け、原野商法の被害者を中心とした約540人の組合員で設立。同年11月には同市の特例市指定により、許可権限が市に移譲された。組合設立後、業者と工事請負契約や保留地販売代理委託契約を締結したものの、約2年後には契約が解除され、69億円の総事業に保留地の処分金を充てる計画は売却する保留地の造成ができず、埋蔵文化財調査と一部の宅地造成工事が行われただけの状態となった。

  金融機関からの融資も調達できず、理事長が事業資金を立て替えて事業の進捗(しんちょく)を図ってきたが、10年に2年間の事業計画の延長をした以降も進出企業との交渉がうまくいかず、事業が進まなかった。11年7月の役員会で事業継続は困難と判断して解散の方向を決定。解散総会の開催を検討したが、事業資金の枯渇から開催できずにいた。

  市は仮換地指定が行われ施行地区内の土地利用が進まず地域の荒廃が顕著となっている現状と沿道住民からの下水道整備と区画整理施行地区からの除外の要望もあり、地域住民の生活を考慮し事業を収束させて土地利用規制を解除するための方策を検討してきた。理事長が死去し、事業資金が見込めないこと、地価下落・人件費などの高騰など厳しい社会情勢からも事業をこのまま進めるのは不可能と考え、許可の取り消しを進める方向にした。


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