盛岡タイムス Web News 2015年  2月  23日 (月)

       

■  横河電子機器 自動操舵の新モデル開発 PT900 世界の大型船にシェア


     
  PT900のデモを行う千田副事業所長(右)と紺野課長  
 
PT900のデモを行う千田副事業所長(右)と紺野課長
 

 横河電子機器(本社東京都、藤井隆社長)は2月から次世代自動操舵装置「PT900シリーズ」を発売した。同社は電磁ログなどの航海機器を盛岡市上飯岡の同盛岡事業所(熊谷進室長)で製造。同市から始まり世界中の船で使用され、世界で約38%、日本で約47%のシェアを獲得している。

  同事業所は1974年に現在の場所に移転。2014年3月31日時点で167人が従事し鋳物、機械加工、化学処理、塗装、組み立て、検査をすべて場内で行い多品種少量生産の一貫工場となっている。

  取引先は民間8割、防衛省が2割。防衛機器で使用する艦船航法機器などを製造する一方、業務用食器洗浄機など身近な機器も製造している。

  同社の千田展久副事業所長は「1プロジェクトに3年くらいかかる。今回発売された装置は、イオンモール盛岡とほぼ同じ大きさの船や大型タンカーなどを自動で操舵するための装置。地球ゴマと同じ原理で方位を検出するジャイロコンパスや、高校で習うファラデーの法則を利用した電磁センサーで船の速度を検出する。宮古工業高や盛岡工業高など県内の学校から定期的に見学も来る。生徒は実際に習った知識が使われた機器を興味深そうに見ていく」と話した。

  PT900について、同社盛岡技術部の紺野秀昌課長は「以前のモデルから15年以上がたち、オプションで拡張されてきた機能を集約した。大きな進化は正面の7インチカラー液晶画面。これまでは表示が小さく、項目ごとに画面を切り替える必要があった。新しいモデルは一画面で確認でき、タッチパネルを採用して直感的な操作が可能になった」と話し、これまでの蓄積と新たなアイデアを融合させた。

  燃料の省エネ化にも取り組んだ。「これまでは予定する航路から外れると装置が自動で舵を切ってしまう。ずれがある度に修正を行うと燃料が無駄になるが、新装置はある程度の余裕を持たせることを可能にした。設定した範囲から出るか予測をして、無駄な舵切りをなくすことで約1%の省エネに成功した」と説明した。

  同社に入り2年目の吉田武史さん(20)は設計に携わっていたが現在は製造ラインを担当。「今後もいろいろな経験を積ませ、彼の力を発揮できるようにしたい」と千田副事業所長は話す。吉田さんは「学校と現場は違う。学校の知識の延長線上に仕事がある。船の艤装(ぎそう)を何回かしたが、自分の作った製品がどう使われるか緊張する。これから多くの経験を積みたい」と意欲的に仕事に取り組む。

  同社はPT900の販売を15年度は300セット、17年度以降は800セットと見込んでいる。


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