盛岡タイムス Web News 2015年  2月  27日 (金)

       

■  “球”が紡ぐサウンド 元岩大技術職員相馬孝志さん 真空管でアンプ自作


     
  真空管でアンプを自作する相馬さん  
 
真空管でアンプを自作する相馬さん
 
  盛岡市黒石野2丁目の相馬孝志さん(68)は、真空管でアンプを自作する。真空管は主に1950年代までの電気製品に、素子として使われた。業界ではトランジスタを「石」、真空管を「球」と呼ぶ。ガラス管に組み込まれた電極に、スイッチを入れると明かりがともり、ラジオやアンプが鳴り出す。相馬さんはトランジスタ時代も真空管にこだわり、長年温めてきた「球」でアンプを作る。デジタル時代のオーディオに、柔らかな音色がよみがえる。

  相馬さんは岩手大工学部の技術職員だった。退職後は自宅でオーディオの趣味に打ち込む。一口にオーディオマニアといっても、既製品の組み合わせを楽しむ人、リスニングルームを含めて好みの音楽環境を整える人など、いくつかの流儀があるが、相馬さんは自作派。若い頃から無線やラジオの制作に熱中し、真空管の古物を集めているうち、トランジスタ以上の魅力を認識した。

  若い頃から電気工作に熱中していた相馬さん。「学生時代からほとんどお金をかけず、スクラップ屋を回って買い集めた真空管が小屋に眠っていた」と、あるとき青春時代のお宝を発見した。「昭和26年(1951)のNEC製やナス型の真空管など、戦前のラジオに使われていたようなもの」など、往時の純正品を掘り出した。

  「ホームページで真空管のアンプを作っている人を見て、また作ってみようと思った。このくらい電圧をかけると、どのくらい電流が通る特性があるかを計り、出力を見る。設計の楽しみがある」と話し、電気工学の専門知識を生かす。

  基盤の設計図を引き、真空管を配置し、音量や音質を増幅するスイッチに接続して、アンプを製作する。アナログレコード、CD、カセットテープなどのプレイヤーをつなぐと、それぞれのソフトに応じた魅力を引き出す。相馬さんは「真空管ならではの音がするというより、トランジスタと同じ音がしなければならない」と話し、技術の今昔を越えて、エレクトロニクスの夢を追求している。



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