盛岡タイムス Web News 2015年  3月  4日 (水)

       

■  盛岡市内町内会 活動50年の曲がり角 新住民の参画など課題に


 2014年度、盛岡市内の多くの町内会が創立50周年を迎えた。盛岡市町内会連合会(晴山貞美会長)によると、50周年の通知があったのは松尾町、名須川町、南大通2丁目など。13年度には清水町、中堤町などがあった。市町連自体も1964年創立で、昨年7月には創立50周年記念式典が行われた。節目を迎えた町内会は記念式典・行事の開催や記念誌の発行などで祝い、地域のさらなる発展を期す。一方で役員のなり手不足や新住民の参画など、課題を抱えた組織も増えている。

  多くの町内会活動が50年前から始まっていることは、1963年当時の盛岡市の町名改正に起因している。街区方式による新住居表示が同年7月1日から逐次実施され、4年ほどでほぼ全域を改正した。街区方式は主に大きな道路で適当な広さの区域を決め、これを「町」、単独町では広すぎるものを「丁目」に分けたものである。新住居表示では小人町(神明町、中ノ橋通一丁目)や呉服町(肴町)など藩政時代からの地名が姿を消した。

  50周年を迎えた町内会の会長に、現在の運営状況を聞いた。共通して挙げられた課題は、役員のなり手不足などが多い。時代の流れにより住民の年齢分布や意識も変化し、従来の活動を続けるには新たな工夫が必要との声も聞かれた。

  松尾町内会の榊廣会長は「老夫婦や単身世帯が増え、世帯数自体は減少している。幸い子どもたちは増えており、若い世代の意見を活動に取り入れていく必要がある」と展望する。同時に、町内に空き家が増えていることも問題視。「防犯の意味でも見守りたい。取り壊して、ただ駐車場だけが増えるようでも困る」と話す。

  志家町内会の川村陸雄会長は「マンションに住む人が増え、個人情報の保護から誰がどこに住んでいるか把握できず、横のつながりが持てなくなった。危機に直面したときに重要なムラという意識が希薄になっている」と実感を述べる。「地域の連帯性や支え合う精神は個人情報を越えて必要になっている」と強調した。

  名須川町内会の熊谷武久会長も、少子高齢化と役員のなり手不足を課題に挙げる。「高齢者の見守りも重要になるが、見守るスタッフが確保できるか心配。近隣町内会と連携するなど地域全体として解決法を探すことが必要と考えている」。「行政も実態をよく分かった上で地域協働へ導いてくれたら」などと話した。

  盛岡市では現在、町内会や自治体運営のさまざまな課題に対処するため「盛岡市町内会・自治体共働推進計画」を策定中。市町連と共同で取り組んでいる。町内会・自治体運営の現状と課題を明確にし、改善への具体案をまとめた。同計画案はインターネット上で閲覧でき、市では11日までパブリックコメントを実施し広く市民の意見を募集している。

  同計画案には、補助金制度の一元化や(仮称)地域担当職員の指名などの制度充実、公民館などに市民活動支援の機能を持たせる市民協働推進センターの設置、地域住民としての職員の意識改革、市民意識の醸成などが盛り込まれている。15年度はモデル事業や準備を行う期間とし、16年度から本格施行となる。

  市市民部市民協働課の吉田春彦課長は「行政は市だけでは成り立たず、町内会と密接な関係を持って進めてきた。役員のなり手が少ないという問題には、負担を減らす方策など、機能を持続していくための計画を考えている。職員も地域の中で一緒にやっているということを意識し、一緒にいい町をつくっていきたい」と話している。


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