盛岡タイムス Web News 2015年  3月  6日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉240 草野悟 三鉄にもうすぐ花咲く春


       
   
       

  三陸鉄道宮古駅ホームの花壇に、チューリップの芽が出てきました。厳しい寒さを乗り越えて、しっかりと芽生えてきました。4月には、きっと見事な満開の花がホームを埋め尽くします。ここはオランダか、ときっと間違えるくらいになるはずです。

  三陸鉄道は、社長以下全員で四季折々の花壇づくりをしています。出来合いを購入する予算がないので、全て種から手作りです。望月社長は実のなるものが好きなため、ゴーヤの緑のカーテン作りを担当します。チューリップの花壇は、先輩の菊池吉則さんの指導を受けながら、若手社員2人が取り組みました。11月の木枯らしが吹く季節にプランターを集め、土を運び整えました。そこにチューリップの球根を植え込みました。前田君と皆川君の2人です。前田君は大船渡出身。皆川君は住田町出身。ともに沿岸南部から宮古に来ています。


  この2人、独身です。彼女やガールフレンドは皆無です。その兆候すら見えません。優しい心根を持った青年が、恋人を夢見てチューリップを植えました。大きな体をかがめ、全部で11個のプランターを作りました。形は不ぞろいです。毎日水をやり、12月から2月までの極寒の時は、自分の体を雪よけにしプランターを守ってきました。そっと雪を払いのける姿がたびたび目撃されています。命がけで恋人を守る姿と重なって見えます。

  人口減少が最大の課題となっている今、将来有望な三鉄青年たちに未来行きの切符が届きません。恋人はチューリップ。まるで歌の題名のようです。なぜ恋人ができないか、不思議です。背が高く足も長く、勤勉で真面目で、仕事は率先して取り組み、泣き言なんて絶対に言いません。しかも寡黙です。世の中、女性に見る目が無くなってきたのは本当のようです。本物の男がここにいるぞー、とチューリップたちが叫んでくれると信じています。三鉄にはちょっと年の行った独身先輩たちもたくさんいます。「花とおじさん」です。全部歌の文句になってしまうから、三鉄って楽しいですね。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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