盛岡タイムス Web News 2015年  3月  7日 (土)

       

■ 〈体感思観〉山下浩平 国体へ味なおもてなし


 
 「前回の岩手国体に向けての騒ぎは、こんなもんじゃなかった」。取材先で昨年、ある人から聞いた言葉だ。45年前のみちのく国体、私が生まれる20年ほど前に開催されたため当時の様子は知る由もないが、準備段階から住民一人ひとりが国内のスポーツの祭典に熱狂したという。

  今回はいまひとつ、盛り上がりに欠けるということだろう。ただ、冬季国体まで1年を切り、本大会を1年7カ月前に控えた現在では、各地で盛り上がりの芽が確実に育っている。

  自転車競技が行われる紫波町の佐比内産地形成促進施設組合が、2016年の岩手国体へ向けたおもてなしメニュー「し・あ・わ・せ輪々膳」を開発した。同組合は佐比内地区でレストランぶどうの樹を運営する組織で、従業員は地域の女性ら。町産の農畜産物だけを使い、地域住民が工夫を凝らして仕上げた。メニュー名や各品の丸さには、車輪や人の輪をイメージ。地域の魅力をふんだんに詰め込み、国体を通した地域のPRに力を入れる。

  佐比内は、全町に影響を与えてきた地域の一つといっても過言ではない。同町には10カ所の産直施設があり「産直のまち」とも言われるが、その先駆けとなったのが佐比内の紫波ふる里センターだった。大冷害などを経験した農家が、生き残るために力を合わせた産直の設置。時代に合った取り組みは農家の活力を生み、施設設置の動きは町全域へと広まった。ぶどうの樹は同センター隣にあり、農家レストランが前身だったという。

  熊谷泉町長は開会中の町議会本会議で「自転車のまち紫波」という言葉を使った。再び佐比内を起点として、町内に大きな動きが生まれるかもしれない。住民主体による事業が国体を盛り上げ、その後の地域活性化へとつながる起爆剤となることを期待したい。


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