盛岡タイムス Web News 2015年  3月  19日 (木)

       

■  〈夜空に夢見る星めぐり〉375 八木淳一郎 東の空


     
   
     

 オリオンやおおいぬ座など、冬の星座は日ごと少しずつ西の空に移っていきます。気が付けば、東の空には春の星座たちがずいぶんと顔を出しています。しし座、おおぐま座に続いて、うしかい座やおとめ座など、誰もが慣れ親しんだものばかりですね。さらに夜ふけては、かんむり座やヘルクレス座など夏の季節の境界にある星座も顔を出してきますし、夜半過ぎには、夏のこと座やはくちょう座、わし座など七夕の星たちが天の川を従えて東の空に上ってきます。

  4年前の3月11日。大震災で盛岡の街は全域が停電になり、暗闇に包まれました。家の中でじっとしているのも息がつまりそうで、外の状況はどうなっているのかと庭に出てみたのでした。真っ先に目に飛び込んできたのは、街の中ではこれまで見たこともない満天の星空でした。東の空には、今上ってきたばかりのくっきりとした天の川が横たわっています。鳥肌が立ち、息をのみました。きっと多くの人たちがこの異様とも、すさまじいとも言える光景を目にしたに違いありません。

  盛岡から見る、横たわる天の川や七夕の星たちのある東の方角には、まさしく津波が到来した三陸沿岸があるのです。詳しい状況はこの時点では分かりませんでした。ただ、地震があって間もなく、大きな津波が来るとの情報を耳にしたので気掛かりでなりません。宮古の、岸壁から遠くない所に住むいとこが、隣近所で命を落とした人たちのいる中、間一髪で助かったことや、母の実家が被災したことなどを知ったのは、それから2週間近くたってからのことでした。
(盛岡天文同好会会員)


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