盛岡タイムス Web News 2015年  3月  23日 (月)

       

■  〈幸遊記〉219 照井顕 佐々木茂光の県議ラッパ


 「気仙中学校の同級生だった畠山直哉君(幸遊記第63回)が、銀座ニコンサロンで『陸前高田2011〜2014』という写真展を開く(2015年3月25日〜4月7日)ので、初日に行ってくることにしました」と、僕に言う佐々木茂光さん(57)。彼は陸前高田・住田地区選出の岩手県議会議員である。議会の会期中は盛岡にいるので、僕の店にも友と連れだってやって来る。彼が県議になる前は、陸前高田市議を3期やって、県議選に立ち、2度目の挑戦となった震災の年に当選。現在は県土整備委員会副委員長、県政調査会理事。

  市議会では戸羽太現陸前高田市長と同期だった。津波で1000年前の姿に戻った陸前高田を、せめて高田松原だけでも12・5bもの防波堤や水門を造らず、昔のように海水が行き来できる自然的な古川沼や高田松原の再生をしてほしいという多くの人たちの声を聞くにつけ、執行者である市長がそういうことに配慮しながら街づくりをしなければと気をもむ。かつてのリゾート(利増都)計画によって600億円もかけた「コースタル・コミュニティ・ゾーン」が地震津波という天災により一瞬にして消え去ったことを、教訓として重く受けとめている様子。

  県議選に当選した時、中学校時代バンドをやっていた同級生たちから、お祝いだ!と贈られたのがアルトサックス。「俺はバンド仲間ではないのだが、還暦の時に一緒に演奏しよう!ということだったのさ!」と笑う。「教育の原点って、俺は音楽だと思うんだ」と真顔で言ってニコッとする。宮城県北の気仙沼高校時代は「ヴァンガード」「ガトー」といったジャズ喫茶にも通ったほどの音楽好きで、地元消防団ではラッパ隊で吹いていた。

  かつての陸前高田には「喜のじ」という焼き鳥屋があった。うちわを使っての炭火焼「だっつぁん」と呼ばれた店の主人は、ギターを奏で、歌う客たちの伴奏をする歌声居酒屋。「先輩市議が新米市議の俺を喜のじに連れてってくれたことは、今でも忘れられない」。その時の常連客たちから聞いた音楽のような市民の声、それらを市議会に県議会に届けて来た漁民議員なのである。「広田湾産のカキは今、日本一の値を6〜7年間キープし続けている」と誇らしげだ。(カフェジャズ開運橋のジョニー店主)
 


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