盛岡タイムス Web News 2015年  4月  1日 (水)

       

■  〈花林舎流庭造り〉29 野田坂伸也 よもやま話 堅雪を踏んで


     
  堅雪と森と山並み  
 
堅雪と森と山並み
 

 ようやく春らしくなってきました。天気予報を見るとこれから数日間、この時期としては50年ぶりくらいの暖かな日が続くということですからわが家の周りに残っている雪も消えてしまうでしょう。この冬は、地域によって降雪量が非常に違い、2月の半ばに盛岡に出てみると町通りには雪がなくて土ぼこりが舞っているので驚きました。わが家の周辺には60aほど積もっていたのに、「これはどういうわけだ」と腹が立ちました。もっと驚いたのはやはりそのころ一戸の奥中山を通ったのですが、毎年1bを超す積雪のあるこの地域が30aしかないではありませんか。地元の人は「いやー、今年は雪かきしないので太っちゃって」と言ってうれしそうに笑っていました。

  盛岡方面から篠木峠を越えて小岩井に出る道路がありますが、峠の東側と西側では雪の量がまるで違います。明らかな気候の境界線になっています。まあ、これよりはるかに規模の大きい気候変異線が日本の脊梁山脈となっているわけですが。

  26日の朝8時ころ外を散歩して何気なく畑の雪の上に載ったら、雪が全然沈みません。前の日の日中が暖かくて夜には少し冷えたので堅雪になっていたのです。子どもの頃も冬の終わりころに出現する堅雪がうれしくてよく歩いたものです。まだ寒さが厳しい時期には雪は軟らかくて、長靴を履いてもひざ上まで潜ってしまうので遠くまで歩くのは難儀ですが、凍って固くなった雪の上はどこまでも楽々歩いて行けます。九十九折(つづらおり)の山道を登る裏山へもこの日は直登で簡単に登ってしまいました。ただ北向き斜面のところは雪が固くなってなくて、長靴が潜ってしまいました。日が差さないところは雪が溶けないので、夜になっても固まらないのです。

     
  マンサクの花  
 
マンサクの花
 


  昨年からオープンした植物園に入ってみますと、マンサクの花が咲いていました。離れたところから見て咲いているのは知っていたのですが、近くで見たのはこの日が初めてです。

  3本あるのですが花色が違い、1本は茶色がかった黄、1本はレモンイエロー、もう1本は濃い黄でした。小さな花ですが朝日を受けて凛と冴えて、思いのほか華やかな感じに見えました。3月の上旬にはもう咲き出したのですが10日頃に1本だけ道路沿いにある木の花を見た時はまだ花弁が伸びきってなくて短かったのです。そのあとマイナス10度くらいになる日もあったのに凍って破れることもなく、たくさんの花をつけているのでした。それなのに誰も見る人もなく、もう1カ月近く咲いているのです。まだ地面は雪に覆われ周囲には裸木しかない時期になぜマンサクは咲くのでしょうか。「マンサクの小さな花は真っ白な雪と青空を背景にしたときに一番美しく見えるからです」と宮沢賢治さんなら言ったかもしれません。

  (前回まで外国の庭の話を3回続けましたがもう春になりますので、また庭の植物や庭造りの具体的な話に戻ります。中途半端で申し訳ありませんでした)


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