盛岡タイムス Web News 2015年  4月  24日 (金)

       

■  働く意味学ぶ 岩手大 連合岩手と連携し講義 全15回、174人履修


     
  豊巻会長(左)の労働実態の解説を聞く履修生ら  
 
豊巻会長(左)の労働実態の解説を聞く履修生ら
 

 岩手大学(岩渕明学長)と連合岩手(豊巻浩也会長)は、就学前の学生にワーキングプアなど労働問題や働くことの意味などについて理解を深めてもらおうと、提携講座の開講について合意、調印した。これに伴い2015年度前期の全学共通教育科目に単位認定科目「現代の諸問題―労働問題とワークルール」が開講した。地方連合の地方大学との提携は全国で8番目、東北では2番目となる。

  それによると、合意、調印は3月31日に同大教育推進機構長の丸山仁人文社会科学部教授と豊巻会長とで交わされた。同大ではこれまでキャリア教育として指導はあったが、講義としての単位化は今回初めて。地方連合による大学との提携は2012年度に山形県と佐賀県で始まった。

  7月30日まで全15回。2年生を中心に174人が履修する。学生の履修登録期限だった今月16日、この講義のオリエンテーションがあり、担当の河合塁同学部准教授(労働法)が講義。今後連合岩手や関係団体ほか岩手労働局から講師が派遣される。7月9日には古賀伸明連合会長も講義をする。

  2回目の23日が本格的な講義の開始となった。豊巻会長自ら講師を務め、労働実態などについて紹介した。

  日本の6人に1人が年収200万円以下で働く貧困層であること、派遣労働や労働者の38%を占める非正規雇用、過酷な労働条件を強いるブラック企業など問題点を挙げた。1944年のILO(国際労働機関)のフィラデルフィア宣言「労働は商品ではない」を紹介するなどした。

  豊巻会長は「経済状況からも働くには就職難で厳しいといわれている時代。その前にミスマッチを起こさないよう自分はどんな働く人になるかをイメージして、自分の進む道を決めてほしい」と学生にエールを送った。

  所属の岩教組専従前は23年間小学校で教べんを取っており、約1時間、学生に思いを伝えた。講義後「学生が将来どんな仕事をしたいか、夢を育ててほしい。同時に働く現実から、働き始めた時のギャップに驚かないよう免疫を育ててほしい」と期待を込めた。

  河合准教授は、学生に正規雇用は恵まれているか、将来どんな働き方をしたいと思うかをリポートとして提出させた。

  「学生のほとんどが就職するのにルールを勉強する機会がない。講義にすることで自覚を持って学習し、全学共通科目にして広く履修を募った。社会人として働くルールを知っておくことは会社を守ることにもなる。働く側も雇う側も同じ認識をしてもらうのが大事」と意義を説いた。


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