盛岡タイムス Web News 2015年  5月  3日 (日)

       

■  新渡戸が渡した懸け橋 盛岡市とビクトリア市─姉妹都市提携30周年〈1〉 太平洋越えた友情


     
  1985年にビクトリア市のビーコンヒル公園で新渡戸稲造記念碑の除幕をする訪問団(盛岡市提供)  
  1985年にビクトリア市のビーコンヒル公園で新渡戸稲造記念碑の除幕をする訪問団(盛岡市提供)
 

 世界平和ため太平洋の橋とならんと念願した新渡戸稲造博士の生誕の地である盛岡市と終焉(しゅうえん)の地であるカナダ・ビクトリア市が姉妹都市提携を締結して今年で30周年を迎える。市民レベルの交流の盛り上がりもあり、長年交流が続いてきた両市。交流の経緯やさまざまな立場で交流に携わってきた人、ビクトリア市からの留学生として本県で学ぶ若者に話を聞き、歩みをたどるとともに将来を展望する。

  両市の姉妹都市提携は1985年5月23日。カナダ・ビクトリア市を当時の太田大三盛岡市長と市民訪問団が訪問し、姉妹都市提携を調印した。ブリティッシュコロンビア大学の新渡戸記念庭園での灯籠の除幕やビーコンヒル公園での新渡戸稲造記念碑の除幕と記念植樹を実施。盛岡市でも5月にカナダフェアが開催された。

  翌86年には盛岡山車・さんさ踊り一行がビクトリア開港祭に参加したほか、盛岡商工会議所が姉妹都市提携1周年を記念してカナダ経済視察団を派遣するなど、市民の交流も盛んになった。ビクトリア市からもグレチェン・ブルーイン市長一行の表敬訪問などが行われた。

  以降はラグビーやアーチェリー、ソフトボール、サッカーなどスポーツ分野、さんさ踊りやビクトリアデイパレードへの参加、2004年から盛岡市で本格的に始められたハンギングバスケットによるガーデン都市づくりなど文化的な交流も発展。ほかにもロータリークラブ、中学生ビクトリア研修など、数多くの市民が交流に携わってきた。

  10周年を迎えた1996年には盛岡商工会議所とビクトリア商議所による友好協定の締結。15周年の2000年にはさらなる友好親善を望む市民有志により盛岡ビクトリア友好協会が設立された。節目の年には、記念の訪問団が行き来する。

  30周年の今年は、市民訪問団が5月16日から6日間の日程でビクトリア市を訪れるほか、9月にはアイスホッケーシニアチームの来盛、ハンギングバスケット交流事業、10月には盛岡アイスリンクのオープニングを記念した盛岡・ビクトリアカーリング交流イベント、物産展「一日まるごとカナダ・ビクトリアデー」を開催予定。

  市は市民によりビクトリア市に親しんでもらえるよう、盛岡城跡公園、盛岡市動物公園などのビクトリアゆかりの場所を掲載したマップの製作にも取り組んでいる。

  同市市民部市民協働推進課の岡市和敏課長は「盛岡市はビクトリア市のハンギングバスケットを生かしたまちづくりを積極的に取り入れ、現在は日本一となるなど定着してきた。ビクトリア市での研修に派遣した中学生も延べ280人となり、今後のボランティアとしての活躍も期待される。30年前に姉妹都市締結に尽力いただいた両市の関係者はもとより、カーリングなどの新たな交流も予定され、今までの成果を大切にしながら次の世代につながる取り組みを行いたい。次の若い世代が異文化・国際化を学ぶ機会になれば」と両市のさらなる交流の促進に期待する。
      (泉山圭) 


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