盛岡タイムス Web News 2015年  5月  9日 (土)

       

■ 認知症ハンドルに「待った」 盛岡市が対策連絡会 交通安全から対応


     
  認知症対策連絡会の初会合  
  認知症対策連絡会の初会合
 

 盛岡市は、全国的に増加する認知症高齢者らに対応するため部局横断的な組織として、認知症対策連絡会を立ち上げた。当面は盛岡交通安全協会と協力し、交通安全分野を中心に協議、検討を行う予定。初会合は8日同市内で開かれ、盛岡東署や市長寿社会課から認知症高齢者を取り巻く現状や対応について講話があった。市交通指導隊や滝沢市、雫石町の職員も参加した。

  谷藤裕明市長はあいさつで全国の認知症患者が400万人を超え、高齢者の4人に1人が認知症または予備軍とする説を踏まえ、「まず交通安全分野を中心に施策の在り方について関係者と協議、検討する。将来的には警察や医療関係者、近隣自治体との連携も視野に入れた活動もしたい」と述べた。

  同日は盛岡東署の板澤裕之生活安全課長、盛岡市の藤澤忠範長寿社会課長が講話した。

  板澤課長は、昨年管内で95人の行方不明者がおり、ほとんどが高齢者で認知症だったと説明。住所や名前を言えずに店を訪れたり、タクシーに乗って行き先を言えなかったり。夫婦のどちらかから相手が帰ってこないとの通報のほか、寝間着姿で歩いていたり、公園にいるケースは一般から通報がある。

  不明の時期は厳寒期や夏季が多いものの、凍死や熱中症で亡くなる事例はなく、命に別状なく保護されている。今年は3月末で20人と前年より2人増え、やはり認知症がほとんどだった。自動車を運転して出ていく人もいるという。

  「どこを走っているか分からないし、標識や歩行者も分からない。逆走したりもする。まだ大きな事故に発展してないが、県内で対策が講じられてこなかった。認知症は社会問題。皆さんと協力し、加害者にならない対策を講じていければ」と述べた。

  市長寿社会課によると、同市内の65歳以上は2014年で約7万人おり、高齢化率は25%。25年には30%、38年には36%と推計される。厚労省によると、全国では65歳以上の15%が認知症か疑いのある予備軍とされ、10年後には75歳以上の後期高齢者が前期高齢者を上回って比率も上昇するとされる。

  このため市は今年度、認知症地域支援推進員1人を委嘱し、16年度には訪問形式の認知症初期集中支援チームを設置する予定。徘徊(はいかい)高齢者の保護に向けては今年度、市内数カ所で訓練を実施。行動特性を把握するのが狙い。認知症対応型のグループホームやデイサービスも今後従来より拡充する計画だ。
 


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