盛岡タイムス Web News 2015年  5月 16日 (土)

       

■ 簗川ダム堤体工事 20年度完成へ起工 トンネル掘削 転流工で川せき止め


     
  簗川ダム堤体工の起工式でくわ入れをする関係者  
  簗川ダム堤体工の起工式でくわ入れをする関係者
 
     
   転流工が行われる盛岡市川目地内のダム堤体建設予定地手前。写真左側でトンネル掘削が行われる  
   転流工が行われる盛岡市川目地内のダム堤体建設予定地手前。写真左側でトンネル掘削が行われる  

 県営簗川ダムは堤体の工事が始まり、15日、盛岡市川目地内の建設予定地で安全祈願祭、起工式が行われた。これを踏まえて2016年度からの基礎掘削工開始に向け、堤体上下流の水をせき止めるため、簗川左岸側にトンネルを285b掘る転流工に着手。年内に川の流れが切り替えられる。20年度に試験湛水を経て竣工される予定。1978(昭和53)年に県単費の予備調査に着手以来、三十数年を経て、総事業費530億円におよぶ県営事業のダム本体工事が本格化する。

  盛岡広域振興局土木部簗川ダム建設事務所によると、同ダムは同市東部に位置する北上山地が源流で、盛岡市街地で北上川に合流する流域面積148・3平方`、流路延長37・1`の同市川目地内の簗川に建設される。堤体は、整備された国道106号簗川道路(延長6・7`)の北側に配置される。

  計画では重力式コンクリートダム、堤高77・2b、堤頂長249b、堤体積20万7千立方b、総貯水容量は1910万立方bで県営ダムとして最も容量が多くなる。多目的ダムとして@洪水調節A既得取水の安定化・河川環境の保全などB水道用水―の目的で整備される。

  02年7月に発生した台風6号では、簗川下流域の堤防が崩落。261世帯に避難指示が出された。ダムが完成すれば計画高水流量毎秒580立方bのうち480立方bの洪水調節が図られる。100年に1度の大雨でも想定氾濫地域をなくする効果がある。

  水道用水としては盛岡市で1日当たり4300立方b、矢巾町で700立方bが供給される。盛岡市では盛南開発地域の水需要の増加、矢巾町では岩手医大の移転や宅地開発に対応する。

  既得取水の安定化などについては、水道用水や農業用水など計9カ所で取水されており、渇水時にも安定的な取水を可能にし、魚類などの生息環境を満足させる水量確保に寄与する。

  総事業費530億円のうち508億円の55%が国庫補助。堤体工は当初請負額で約139億7千万円。ほかに付け替え道路の簗川道路と根田茂川と平行する主要地方道盛岡大迫東和線簗川工区の整備、用地補償費などがある。主要地方道は今月末にも暫定供用から延長4・9`が全線開通される。

  安全祈願祭には県、受益市町、地元住民、施工業者ら約70人が参加した。代表者が玉串奉納、くわ入れなどをした。浅沼康揮同振興局長は式辞で「完成予定の20年度には安全安心で快適な社会形成に大きく貢献するものと確信している。一層の事業推進に努める」とあいさつした。

  盛岡市の藤尾善一副市長は「一昨年の豪雨から市民の生命と財産を守る治水対策の重要性を再認識している。そういう中、念願の建設工事が起工に至ったのは市にとっても洪水防御、上水道の安定供給の両面から感謝する」と谷藤裕明市長の祝辞を代読した。

  矢巾町の高橋昌造町長は「共同利水では施設整備に多額の費用を要するが医大の移転などで収益も大きく見込まれる。将来の水道用水不足に備え、長期的に安定した取水量確保へ町近郊で開発可能な最後のダムである簗川の水源確保が最も重要と考える」と述べた。

  同ダム建設事務所は今後、簗川道路からダム建設現場を眺望できる「視点場」をダム左岸側に設ける考え。
 


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