盛岡タイムス Web News 2015年  5月 20日 (水)

       

■  知事選 ポスト「王国」へ両雄争う 告示まで3カ月 達増氏(現職・2期)に平野氏(元復興相・参院)挑む 県政界に再編の波 共産系も擁立作業


       
   
 
平野達男氏
達増拓也氏
 

 任期満了に伴う知事選は8月20日の告示まで残り3カ月となった。これまでに三選を目指す現職の達増拓也氏(50)、元復興大臣で参院議員の平野達男氏(61)の無所属2人が出馬を表明。共産党が参加する明るい県政をつくる会も擁立作業中だ。東日本大震災津波から5年目。復旧復興へ重要な時期を迎え、人口減少などの諸課題にも直面する中、かつて同志の達増、平野両氏の政策に際立つ差異は現時点で見えない。しかし、「王国」の四分五裂を経て、県政界の勢力争いを下地に、現県政の継続か刷新かをめぐる戦いの構図が浮かび上がる。

  2012年7月の民主党分裂で達増氏は現生活の党代表の小沢一郎氏の離党と行動を共にした。平野氏は当時復興大臣として残留したが、13年7月の参院選を前に党を離れた。12年衆院選、13年参院選は対立し、14年12月の衆院選では互いに静観した。

  達増氏は14年11月15日、三選出馬を表明。政党会派には推薦を求めない「県民党」的スタンスで「勝手連」的な結集を標ぼう。小沢氏と距離を置く格好を取った。平野氏は3月、参院選で支持を受けた現いわて県民クラブの無所属県議が出馬を要請。これに応えて4月14日に表明。自民党県連も「開かれた県政」を掲げて対抗馬擁立を進める中、同氏支持を打ち出した。

  達増氏支持の受け皿として、県議会の生活の党系の希望・みらいフォーラムと民主党、無所属会派一山会の有志が4月16日に政治団体「希望郷いわてを実現する会」を設立。民主党県連も25日に達増氏支持を決めた。連合岩手など民主・社民系労働3団体も先行して推薦を出した。

  達増氏は当初平野氏出馬を「ありえない」などとけん制したが、今月18日の会見で知事選の争点を問われ、「戦術的戦略的な概念であり、政治的立場を強くするために使われることが多い。県全体の福祉向上につながるために選挙があり、そこを崩してはならない」と冷静に語った。

  平野氏側は県民クが1日に政治団体を届け出、県議選と連動して戦う体制を構築。さらに任意団体「開かれた県政を創る会」発足を発表。超党派の県議に結集を募り、22日に設立総会を開く予定。平野氏は18日の会見で業界団体へ「どんどん(支持を)呼び掛けたい」と話した。

  平野氏は政党への推薦要請について「自民は農政に関して私の考え方と違う。推薦要請しても政策の一致を図ることはできない」と説明したが、「県政の流れを変えるために支援してくれるなら、岩手を変える共同戦線は張っていきたい」と達増氏との対決姿勢を鮮明にした。

  民主党県連は分裂後の衆・参選挙で達増氏を含む小沢氏勢力と戦ったが、14年衆院選ですみ分け。平野氏転出に伴う10月の参院補選で反自民を旗印に戦うため、自民が平野氏支持なのを踏まえ「筋論」を通す。これで生活の党と無所属県議との結集が図られた。

  一方、平野氏を推すのは13年参院選前後の民主離党組と元地域政党いわての勢力。県議会でも反小沢・反達増で協力関係にある自民党県連も平野氏支持で呼応した。

  こうして県政界は四分五裂を経て二つの勢力が結集する図式が浮上した。同日選の県議選(定数48)や10月の参院補選も絡んだ主導権争いの様相を呈する。達増氏が前回11年に獲得した約44万票や平野氏の13年参院選の得票約24万票、自民党支持層はじめ有権者の投票行動が新たな図式でどう変化するかが焦点になる。

  また、共産党県委員会が参加する明るい県政をつくる会が現在擁立の作業中だ。社民党県連合は支持労組が達増氏を推薦したが、自主投票を決めた。13年参院選では平野氏を支援した県議らもいる。現段階で自主投票の公明党県本部を含め、各党がどう存在感を発揮するかも注目される。

  県選管によると、全県の選挙人名簿登録者数は3月2日現在、107万7624人(男51万1169人、女56万6455人)。


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