盛岡タイムス Web News 2015年  5月 23日 (土)

       

■ 沿岸首長強く反発 県と被災市町村連絡会議 国の復興財源一部負担に 達増知事26日、国に意見


     
  達増知事と沿岸市町村長が意見交換した連絡会議  
  達増知事と沿岸市町村長が意見交換した連絡会議
 

 県は22日盛岡市内で、東日本大震災津波で被災した沿岸12市町村長らとの連絡会議を開いた。政府が復興財源に一部地方負担させる方針を発表したのを受け、達増知事が26日に開かれる政府の復興推進委員会で地元意見を表明するのに伴い、被災市町村長と意見交換。地方負担の割合が示されない中で「被災市町村によって復興の進度が違う中、6年目から一部負担はおかしい」(中村一郎県復興局長)など、反発の声が挙がった。

  達増知事は冒頭、「今後の事業が大きくスピードダウンしてしまうという懸念がある。被害の大きかった沿岸南部では盛んに事業が行われ、まだ数年かかると見込まれる中で方針が示された。被害の大きかった地域に、より負担を強いることになり、不公平との意見も出ている」と述べた。

  その上で「皆さんの意見をしっかりと受け止め、本県の考え方を26日に述べたい。国は2016年度以降の復興事業の枠組みを来月末までに決める考えで、限られた期間内で被災地、被災自治体の実情を丁寧に説明し、復興へ支障のない制度とするよう求めたい」と結束を強めて取り組むことを訴えた。

  各市町村長は会議後、報道陣の取材に応じた。陸前高田市の戸羽太市長は「当市は計画そのものがあっても具体的なコスト計算までできていないものもたくさんある。一部負担が何割になろうが、現状で弾き出せないもものもある。知事には一部負担を容認するのでなく、そもそも論として国の考え方はおかしいと伝えるよう申し上げた」と説明。

  「国は被災85自治体中50自治体は15年度で事業完了すると言っている。残っているのは決して手を抜いたのではない。一生懸命やってきたが、ここまでしか進んでいない、まさに重傷だということ。その人たちにだけ負担を求めるのは本来国家がやるべきことでない」と強調した。

  大船渡市の戸田公明市長は復興交付金のうち地方負担とされた効果促進事業について「1〜3%の負担割合でなく、もっと微々たるものにしてもらわないと困る。残っている効果促進事業を積み上げると数百億円になる。1%は数億円だ。100〜200万円の捻出でも苦労している」と懸念を示した。

  宮古市の山本正徳市長は「しっかりと国が責任を持ってやると財源的なことも含め言ってきたと思う。だから集中復興期間が切れても国が責任を持ち、最後の復旧復興まで、しっかりと財源手当てをするべきだと申し上げた。5年間で全部復興できる地域と、10〜15年かかる地域があるのは最初から分かっていたこと」と主張した。

  大槌町の碇川豊町長は「被災具合の強い市町村にも個々に国から聴き取る形で言うべきとの話もあった。そういう機会も設けるべきだ」と説いた。

  中村局長は「方針について強い懸念が出たと受け止めている。県が表明する意見の具体的な中身の検討はこれからだが、市町村の声をしっかりと受け止めた内容で申し上げる。引き続きこれまで同様に全額国が負担する制度の中で事業をやってほしい」と述べた。
 


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