盛岡タイムス Web News 2015年  5月 29日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉252 草野悟 宮古の名店浜ゆうの看板料理


     
   
     

 春になり、初夏に向かうと宮古市民が待ち焦がれていた「ママス」の漁が最盛期となります。「ママス」とは降海型のヤマメが大きくなったサクラマスのことです。でも今年は異変のようで、漁獲量が極端に少なく、超がつく高級魚になっています。

  そんなところにリーズナブルで新鮮で、見た目よりずっとおいしい「ドンコ」が旬を迎えます。「ドンコ」はタラ目チゴダラ科に属する底魚で「エゾイソアイナメ」が正式名称です。見た目はよくグロテスクと言われていますが、じっと目を見つめると、実にかわいらしい愛嬌(あいきょう)のある魚なのです。身は純白で軟らかな肉質です。

  この「ドンコのたたき」を看板にしているところはあちこちにありますが、お勧めナンバーワンは宮古駅から徒歩10分程度の「浜ゆう」という料理店です。三陸鉄道が地域応援としてボランティアで発行し続けている「駅−1グルメ・第七号」(エキイチと読みます)の部に登場しています。早速、地域愛に燃え、東西南北、そこにうまいものがあれば雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ行かないと気が済まないドンコのような沿岸広域振興局の桐田副局長と三鉄有志で伺いました。「う、うまーい」とソプラノ音域の歓声を上げたのは、当然桐田さん。ドンコのようにお茶目で愛嬌たっぷりの人です。言わば共食いです。浜ゆうの親方の素早い包丁さばきがあるからこそ、足の速いドンコを見事にさばくことができます。

  たたいた身肉にしょうがをちょっと付けて、しょうゆをたらし口に運びますと、ふわーとした食感と甘くダシが効いているような淡白な味覚が広がります。このさっぱり感、淡白にこそドンコの神髄があります。ドンコは、干して焼き魚、揚げて骨までカリカリの甘酢あんかけ、みそとネギ、しょうがで和えた「なめろう」、そして煮つけと幅広い料理に適応します。内陸の方々、ぜひ沿岸に行って、旬のドンコを味わってください。真冬も旬と言われますが、今です。今がおいしい旬です。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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